ペットのための相続対策③信託でペットを守る

2017年3月21日


そもそも「信託」とは?

信託とは、ある目的(信託目的)のため、自分自身や他の大切な人(受益者)のために、所有している財産を信頼する人や信託銀行・信託会社(受託者)に託し、その財産の管理・運用・処分などの行為を任せる法的な仕組みのことです。

 

ペットのための信託とは?

ペットのための信託とは、飼い主が自分の死後や病気、ケガなど万が一の時に備え、自分の代わりにペットを飼育してくれる人にペットの飼育費として残す財産を管理するしくみのことです。ペットに直接財産を相続できないかわりに、飼育費として間接的に財産を残すことができます。

日本ではまだまだ新しい考え方ではありますが、ペットを飼っている方に大変注目されています。

 

<ペットのための信託において必要な準備>

 1:ペットの世話をしてくれる人(受益者)を決める

 2:お金を管理・運用してくれる人・法人(受託者)を決める

 3:受益者や受託者を監視してくれる人(信託監督人)を決める

 4:ペットの世話の内容や信託財産の金額を決める

では、実際にどのような信託の方法があるのでしょうか?方法は現時点で2通りあります。

 

信託の方法①自分で管理会社を設立する

管理会社の設立

委託者である飼い主名義の管理会社を設立し、財産を事前に管理会社に移行します。管理会社の場合、「合同会社」を設立するのが一般的といわれています。

<管理会社で決めておくこと>

 ・ペットの飼育のために必要な資金の試算

 ・資金の支払い方法

 ・ペットの死後に資金が残った場合の対応

 ・信託管理人を決める

 ・遺言書を作成する

新たな飼い主の方への謝礼や、相続人のために遺言なども同時に考えておくといいかもしれません。

 

管理会社設立時、設立後にかかる費用

管理会社を設立してペット信託を行う場合には、会社設立時に下記のような名目で費用がかかります。

 ・合同会社設立費用

 ・契約書作成費用

 ・遺言書作成費用 など

また、会社なので法人の義務として納税や運用費、ペット死亡後の会社の清算なども念頭においておかなければなりません。

 

信託の方法②ペット用信託を扱う信託機関に依頼する

自分で管理会社を設立して大掛かりになるのはちょっと・・・という方もいらっしゃると思います。そんな方のためにペット用の信託を扱う信託機関(信託銀行、信託会社、NPO法人など)の利用をおすすめします。

飼い主と信託機関の間で契約を結び、資金を渡し、遺言書を作成するだけです。

弁護士などに遺言書の作成を依頼し、その遺言書には飼い主が契約したNPO法人に財産を残すという内容を記載してもらいます。

飼い主に万が一のことがあった場合は、NPO法人に信託の権利が移り、信託会社とNPO法人の連携によって、次の飼い主への引き渡しや病院代の支払い、次の飼い主の元へ行った後の管理も行われる仕組みになっています。

 

信託を利用するメリット

メリット1:相続財産に含まれない

信託財産は相続財産とは別の扱いになりますので、相続に巻き込まれることはありません。

途中でペットの飼育費が足りなくなることのないように、余裕をもった費用の見積もりをする必要があります。

 

メリット2:まとまったお金が無くてもできる

まとまった金額を一括で用意することができない場合、信託財産を月々積み立てる方法をとることができます。これまで金融機関に預けていた財産を管理会社に積み立てていくようなイメージのため、かなり取り組みやすい仕組みといえます。

 

メリット3:信託監督人が監視してくれる

受託者には下記の義務が課せられます。

1:善管注意義務・・・善良な管理者の注意を怠らない

2:忠実義務・・・受益者のため忠実に信託事務を行わなければならない

3:公平義務・・・受益者が二人以上いるときは、康平に信託事務を行わなければならない

4:分別管理義務・・・信託財産とその他を分別して管理しなければならない

5:帳簿の作成等、報告及び保存の義務・・・信託財産について帳簿等を作成し、受益者へ報告しなければならない。また、それらの書類を一定期間保存し、受益者に請求されたときは閲覧させなければならない。

6:損失てん補責任・・・任務を怠り信託財産に損害を与えた場合は、損害を補てん、または原状に回復する責任を負わなければならない

7:その他、利益相反行為の制限など

このように受託者に課せられる義務がありますが、このような義務がちゃんと遂行されているか、また次の飼い主がちゃんとペットの飼育をしているかなどを信託監督人が監視・監督します。信託監督人は自分で専任することもできますが、監督するという名目で身内同士の争いがおこる可能性もあるので、弁護士や行政書士など専門家にまかせるのがおすすめです。

 

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