放置された相続は大変!

2018年9月10日


インタビュー協力:渡辺 隆之 司法書士・行政書士・相続診断士

前回までのお話はこちらのコラムにて↓

相続の手続きを放置したらどうなる?

放置された相続が原因で起こるトラブルとは!?今回は【相続110番】掲載の司法書士法人・行政書士ふたば事務所の渡辺隆之先生にお話を伺いました。

 

—渡辺先生、法定相続分の主張と遺留分減殺請求は、どう違うのでしょうか?

渡辺:民法上、法定相続人には一定の割合で相続財産を受け継ぐことができると定められています。この割合のことを法定相続分といいます。遺言が無い場合はこの法定相続分の割合で相続財産が分割されます。

一方で、遺留分は遺言書がある場合の話です。 例えば、父の遺言書に“長男に全部の財産を相続する”と書かれていた場合、次男、三男が「納得できない!僕たちも貰える権利がある。」と主張することが出来ます。このような遺留分を侵害されるようなことがあった場合に主張することが出来る権利です。

 

—なるほど。たしか遺留分減殺請求には時効がありますよね?

渡辺:はい。相続開始から10年、相続の開始及び減殺すべき贈与、遺贈があったことを知ったときから1年です。

 

—以前【相続110番】への相談で、古い遺言書を持ち出して勝手に登記した親戚の方が居た、というお話を伺いました。

渡辺:その場合には相続開始からどれぐらい経っているかで、遺留分減殺請求が出来るかどうかが決まりますね。

 

—土地、建物それぞれで名義が違う場合、揉めているケースが多い印象があります。

渡辺:親の土地の上に、子どもの建物が建っていることは多いです。子どもが複数居る場合、建物を建てていないほかの兄弟が「あなたは親が生きていたときからタダの土地を自由に使えて、しかも亡くなったことで全部貰えていいわね。」と言うことでトラブルになることがあります。

 

—渡辺先生が今まで対応した中で大変だった案件は、どのような内容でしたか?

渡辺:相続人が多い案件は大変ですね。ある案件は放置された相続のせいで相続人が増えてしまいました。そのため遠い親戚にも連絡をとりました。しかし、それに対しその方から詐欺と疑われて警察から連絡が来たことがありましたよ。もちろん状況を説明するための書類等を送っているにも関わらず…。

 

—オレオレ詐欺や振り込め詐欺が流行っていますから、疑いを持つのも無理ないですよね。

渡辺:そうですね。「印鑑証明書を付けて実印を押してくれ。」と言われても、すぐに納得出来ないお気持ちは分かります。関わる人が多ければ多いほどそれぞれの相続人の人生があるので、色々な問題が起こります。昔の恨み辛みなどを聞くこともありますよ。その中でも、リアクションが無い人の対応が一番辛いです。

 

—それは音信不通ということですか?

渡辺:はい。居留守を使う、通知を受け取ってくれない、などです。最終的に、「裁判をやるしかないですね。」というお話をせざるを得なくなります。

 

—放置された相続が原因で相続人が増え、最終的には裁判にまで発展してしまうなんて…。

渡辺:そうせざるを得ないのですが、裁判をやるかやらないかの判断もつきにくいです。リアクションが無い人は、考えが全く分からないですからね。

 

—ちなみに裁判を起こしたら連絡がとれたってパターンはあるのでしょうか?

渡辺:はい、あります。裁判は最終手段です。弁護士が付いて、良かった場合と悪かった場合で真二つに分かれる印象があるので、裁判についてはケースバイケースだと思います。

 

—相続の手続きで、忘れてしまいがちなことはありますか?

渡辺:不動産でいうと、納税通知書が来ていない土地、建物は忘れがちになります。私が昔相続に詳しくなかった頃、納税通知書に不動産が全部載っているものだと思っていました。実際には非課税の土地などの納税通知書に載っていない不動産があるのです。

 

—非課税の土地とは、どのようなものですか?

渡辺:例えば、公衆用道路です。課税されていないので、納税通知書に載りません。役所に「評価証明書を全部出してほしい。」と言わないと、抜けてしまうことがあります。

 

 

この続きは、次回

相続の手続きを怠ると、どんな影響があるの?

にて掲載予定です。

 

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