【事業承継】同族株主の株の評価方法

2018年5月21日


コラム協力:橘 慶太 税理士

前回までのお話はこちらのコラムにて↓

【事業承継】株の評価方法

前回に引き続き、事業承継について【相続110番】掲載の橘先生に解説していただいています。今回は、株の評価方法である原則的評価方式についてのお話です。

 

:前回、株の評価方法に配当還元方式と原則的評価方式の2種類があることをお話ししました。そのうちの1つ、原則的評価方式も更に2つに分かれます。1つが類似業種比準価額方式、もう1つが純資産価額方式です。

純資産価額方式からご説明します。純資産価額方式は、“会社を解散させたらいくらお金が戻ってくるか”という考え方です。

株式会社タチバナという会社を、今から解散させてみます。株主は僕です。この場合、どれぐらい返ってくるか?というのを一緒に考えていきましょう。資産が1億円、銀行からの借金が7000万円、資本金が3000万円。このような会社だとします。まず、何をしなくてはいけないでしょうか?

—借りたお金を返します。

 

:正解です。銀行に借金を返さなくてはなりませんね。では、借金を返します。銀行に7000万円を返したら、資産はいくらになったでしょうか?

—3000万円です。

 

:はい。この後にすることはありますか?

—もう無いです。

 

:そうですね。借金を返し終わっているので、会社に残った3000万円は株主である僕に返ってきます。

次の問題。先ほどと同じ状況ですが、資産を全て土地で持っているとします。この状態で、会社を解散させます。まず、何をしなくてはいけないでしょうか?

—土地を売って、お金にします。

 

:正解です。土地のままの状態だと、銀行に借金を返せません。だから、売却してキャッシュを作ります。その後のフローは一緒です。

では、またまた問題。1億円で買った土地を売ったら、3億円になったとします。会社を解散させるには、どのような手続きが必要でしょうか?

—まず、負債を返します。差額分には、税金がかかると思います。

 

:何税がかかりますか?

—法人税です。

 

:そうです。1億円で買った土地を3億円で売却すると、2億円の儲けが出ます。これは会社でやったことなので、儲けに法人税がかかります。

①不動産を売却して、キャッシュを手に入れる。

②銀行に7000万円を返す。

③2億円×37%で計算して、法人税を払う。

ここまでを行って、残ったお金は株主である僕に返ってきます。

—法人税を払うことで、相続税の対策が出来ますね。

 

:では、もう1つの類似業種比準価額方式についてお話しします。こちらの方が、株価は圧倒的に安くなります。

—類似業種比準価額方式の方がお得なのですね。

 

:例えば、僕がラーメン屋さんをやるとします。“ラーメン橘屋”を町田にオープンさせるのです。今から、株式会社ラーメン橘屋の株価を求めます。世の中には、ラーメン屋さんで上場している会社があります。有名な一風堂さんは上場していますよ。例えば、1株1万円だとしますね。ラーメン橘屋は、オープンから1年間頑張りました。すると町田での知名度が上がり、1億円の儲けをあげました。

—凄い!!

:それに対し、一風堂さんが10億円の利益を出していたとします。ここまでデータが出たら、ラーメン橘屋の株価が出せます。一風堂さんんは10億円の利益を出していて、1株1万円です。サイズ感でいうと十分の一ですから、ラーメン橘屋の株価は1000円です。これが、類似業種比準価額方式と呼ばれる評価方法です。

上場会社と比較するのですね。

 

:今は利益だけで話をしましたが、実際には配当、利益、純資産の3つの要素を使って計算をします。

 

—自分で似ている会社を探すのですか?

:いいえ。今、日本全国にある会社が118の分類に分かれています。小売業、建設業など細かく分かれているのです。そして、この業種の場合の株価はこれですよ!というのがネットに書いてあります。その金額を使って計算をします。以前は、配点の振り方がこのような割合でした。

配当1:利益3:純資産1

 

—利益だけ持ち点が高かったのですね。

:利益さえ減らせば株価がガクッと落ちる点に着目した銀行員や生命保険会社が「赤字にすればいい!」と色々やってしまい、それに経済産業省が怒って見直されました。今は、このようになっています。

配当1:利益1:純資産1

 

—以前は、利益を落とすことで会社の価値を圧縮していたのですね。

:会社の利益さえたたけば税金が落ちたのは、一昔前の話です。今それをやっても、そんなに下がりませんよ。

 

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