【事業承継】株の評価方法

2018年5月16日


コラム協力:橘 慶太 税理士

前回までのお話はこちらのコラムにて↓

【事業承継】どんな方法を使うの?

前回に引き続き、事業承継について【相続110番】掲載の橘先生に教えていただきました。

 

:以前、事業承継の方法は3つしかないとお話ししましたね。相続、贈与、譲渡(売却)です。その中で、消去法により贈与が選ばれることが多いです。贈与する時には、細かく言うと更に方法が3つに分かれてきます。贈与に税金がかかることはご存知ですよね。

—年間110万円を超えると、贈与税がかかります。

 

:はい。では、この税金を少なくするためにはどうすればいいでしょうか?

—贈与する時だけ、会社の価値を下げます。

 

:正解です。会社の価値、つまり株式の評価額が低い時を狙って沢山移してあげれば、税金が少なくて済みます。世の中の事業承継コンサルタントが「会社の評価を一時的に下げてその隙に移そう!」と言っているのが、まさにこれです。

 

—会社の価値を下げる、とはどのように行うのですか?

:会社の評価の仕方が分かれば、実は全然難しくありません。ここからは株の評価の仕方について、お話ししていきますね。会社の評価の仕方はややこしいです。株の評価の仕方は、BIGBANGのライブチケットと同じなのですよ。

 

—どういうことですか?

:アーティストのコンサートチケットと、同じ考え方をします。例えば、ローソンチケットでBIGBANGのコンサートチケットが6千円で売っていたとします。いくらで買いますか?

 

—6千円で買います。

:では、そのチケットが最前列の席で、しかもオークション形式で売っていたら?

 

—10万円で買います。

:この考え方です。会社の株は、同じ株式だけれど持つ人によって価値が変わります。会社を支配出来る人たちを、同族株主グループといいます。その人たちにとって会社の株式というのは、1株1株が重いです。それに対し、ちょっとしか株式を持っていない人は会社を支配出来ません。この同族株主グループと、少数株主グループの2つに分かれます。少数株主グループに該当した場合の株の評価は、とても安くなります

—では、同族でない人たちに株を沢山ばらまいておけば、会社の評価は安くなりますか?

:その通りです。これを使った相続対策があります。

例えば、橘さんという超お金持ちのグループがあるとします。橘さんたちが持っている株式は、とても高いです。そこで、従業員たちに株式を売却しました。この制度を、従業員持株会といいます。従業員は血が繋がっていないので、配当還元方式という評価方法が使えます。これで株を評価すると、とても安くなります。

 

—どのぐらい安くなりますか?

:1株5万円くらいのものが、2500円くらいになります。もっと安くなることもあります。このような相続税の圧縮対策があるのです。一方で、橘さん一族、例えば子どもに渡す時は、原則的評価方式という評価方法を使います。

 

—2種類の評価方法があるのですね。

:因みにここの論点は相続に強い税理士にとっては当たり前なのですが、そうでない人はこれを知らない人が多いです。

 

—お願いしようとしている人が相続に強いかどうか分からず不安な場合は、どうしたら良いですか?

:「あれ?配当還元方式ってどういう時に使えるんでしたっけ?」と聞いてみたらどうでしょうか。

 

—相続に詳しくない税理士は、配当還元方式を知らないのですか?

:はい。税理士がこれを知らないことで、事故に繋がることが多いです。本当は配当還元方式が使えるのに原則的評価方式で評価して申告書を出してしまい、その間違いを他の税理士が発見します。そして、相続税の還付を受けます。還付を担当した税理士は割合で報酬をとるので、還付金額によっては報酬が高額になりますよ。

 

—申告書に間違いが無ければ、その出費も無かったですね。

:それで、損害賠償請求を起こすパターンがよくあります。

 

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