【事業承継】トレンドと税金について

2018年3月23日


コラム協力:橘 慶太 税理士

前回までのお話はこちらのコラムにて↓

【事業承継】どんな選択肢があるの?

前回に引き続き、事業承継について【相続110番】掲載の橘先生に教えていただきました。

 

:前回は、会社の方向性について様々な選択肢があることをお話ししました。では世の中の会社は、将来についてどのような選択を行っているでしょうか。解散させない前提の会社が10社あるとしたら、どのぐらいの比率だと思いますか?

—①親族に継がせる が6割、②従業員に継がせる が2割、③親族でも従業員でもない人に継がせる が2割ぐらいでしょうか。

 

:正解は、小規模事業者だと①親族 7~8割②従業員 1~2割③親族でも従業員でもない がそれ以外。中規模企業だと①親族 5~6割②従業員 2~3割③親族でも従業員でもない がそれ以外です。

—②従業員 と、③親族でも従業員でもない が同じぐらいですね。

 

:近年はそうですね。20年前に対して、つい最近のトレンドが物凄く変化しています。以前は息子や娘に継がせるのが当たり前だったのに、今は劇的に変わっています。一番増えているのは、③親族でも従業員でもない です。今後も、M&Aのニーズは増えていくでしょう。僕が得意なのは、①親族 ②従業員 に継がせる場合です。

—前向きな承継もあれば、やはり存続の難しさで解散を選ぶ会社もありますよね。

 

:会社を解散させるべきかM&A売却をすべきか、という論点があります。会社を解散させると、実は税金ってめちゃくちゃ高くなります。仮に「会社をもう辞めるよ。」となると、会社にあるお金は株主へ戻ります。これを“残余財産の分配”といいます。この分配を受けた時の会社から来るお金は、配当金という扱いを受けます。

 

—何故、配当金という扱いを受けるのですか?

:会社の中には“利益積立金”といって、会社の利益をずっと貯めておいてあるお金があります。このお金から株主へ戻るので、配当金という扱いになります。配当金は、以前のコラムでもお話しした様に、総合課税されてしまいます。

 

—上場していない会社から出る配当金は、給料などと合算して税金を計算するのですよね。

:はい。そのため最悪の場合、50%近くの税金をもっていかれるという状況になります。但し元々儲かっていなかった企業であれば、利益積立金が無いので配当金もありません。

 

—うまくいっている会社が解散する場合は、税金の部分で注意が必要ですね。

配当金って響きはいいですが、税金面では最低です。配当課税だけは避けたいですね。

 

—では、M&Aの場合はどうなりますか?

:会社を売却した時というのは、以前のコラムでもお話しした様に、20%しか税金がかかりません。だから解散させるよりも、社長の手元に残るお金が多くなる可能性が高くなります。そういう点から見ると、M&Aの方をおすすめしたいですね。

 

—M&Aの注意点はありますか?

:会社の解散は自分の好きなタイミングで出来ますが、会社の売却はそういう訳にはいきません。また売却にあたり、条件が付いてくることがあります

仮に条件が全く無かったら、こんな事が起こるかもしれません。カリスマ社長が居る会社を、僕が買ったとします。その社長は、売った途端「もう辞めるわ。」と言って辞めてしまいました。そうしたら社員たちも「あの社長だから付いてきた。社長が辞めてしまったのなら私も!」と次々に会社を去ってしまいました。買った僕は、(せっかく買ったのに・・。)と困ってしまいますよね。

—そのような状況を作らないために、条件が付くのですね?

:例にあげたような会社をもしM&Aをする場合は、“売買の契約が決まってから、3年間はカリスマ社長は会社に在籍しなさい。”というような条件が付くこともあるでしょうね。“会社のキーマンをなる人が最低3年間在籍してくれたら○○円でお宅を買いますよ。というような制約を買う側は提示します。だから、その期間などを逆算して会社を売らなければなりません。M&Aは、早めにやらなければいけませんよ。

 

—条件は、新しい株主とのやり取りの中で決まるのですか?

:そうです。ある会社の売却の際についた条件は、“システムの軸を握っている人は3年間在籍しなければならない。”というものだったそうですよ。

 

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