コラム協力:髙橋 朋宏 司法書士
今回は【相続110番】へ実際に寄せられた実際のご相談内容をご紹介します。
≪ご相談事例≫
相談者Aさんの妹が亡くなった。相続人は、Aさんを含めた被相続人の兄弟姉妹たち計4名。現在、相続に関する手続きを被相続人の成年後見人だった司法書士に進めてもらっている。換価分割を予定しているが、うまく話が進んでいない模様。長男である兄が窓口となって司法書士とやりとりをしているので、動きや進め方についての情報があまり来ず不満を感じている。
成年後見人の業務ってどこまで?
成年後見人の仕事は、被後見人が生きている間の「財産管理」と「身上監護」です。
通常今回のように被後見人であるAさんの妹が亡くなると、成年後見人の業務は終了します。
成年後見人だった専門家に、相続に関する手続きもお願いすることはできないの?
相続に関する手続きを成年後見人だった専門家に依頼したい場合は、相続人全員の同意を求めるといいでしょう。相続人全員の同意のうえ委任すれば、相続に関する手続きも同じ専門家にスムーズに依頼することが可能です。
相続の手続きを依頼した専門家と、うまくコミュニケーションがとれない
依頼している専門家に不満があるという話はよくあり、【相続110番】にも度々ご相談があります。そのような時は遠慮せず、専門家に現状報告を逐一行うことを要求するなどすることをお勧めします。もしあなたが依頼者でない場合は、窓口となっている相続人を通して専門家に問い合わせをしましょう。
手続きにかかる期間は、個々のケースにより異なる
現在Aさんが関わっている相続の遺産分割の方法は、換価分割です。
※換価分割:相続財産を売却して現金化し、その代金を各相続人に分配する方法
換価分割は、相続人が売りたい値段と業者の買いたい値段のすりあわせが非常に難しいです。そのため、手続きがスムーズに進まず、時間がかかっている可能性があります。
相続人全員で協力して、手続きを進めましょう!
財産状況や相続人の数により、相続の手続きにかかる期間は様々です。そして、相続人全員が当事者である意識を持たないと、スムーズに手続き等が進みません。家族や親戚と普段からしっかりと話し合いをしておく、相続に強い専門家に相談する、など自分たちに合う方法を見つけること。そして、相続人全員で相続に関する意識を持つように心がけていく必要があると思います。そうすることにより、スムーズにトラブルなく相続の手続きを進めていくことができるようになるでしょう。