不動産相続登記いつまでにやらないといけないの?

2018年11月19日


インタビュー協力:経堂司法書士事務所 代表 髙橋 朋宏 司法書士

今回は【相続110番】掲載の経堂司法書士事務所 髙橋朋宏先生に不動産相続登記の必要性についてお話を伺いました。

《登記義務付け検討!?》
土地相続登記が義務化されていないことにより、空き家や所有者不明の土地が増え、事業開発等に影響がでている社会問題です。そのため政府は相続登記の義務化を検討し2020年までに関連法案の国会提出を目指すと法務省研究会から発表がありました。

 
 
相談者
相続110番

高橋先生、まず相続登記とはどのような制度でしょうか?

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

不動産の名義を亡くなった方から相続人に変更する登記手続き相続登記と呼ばれる制度です(=相続による所有権移転登記手続き)。国の帳簿に不動産登記というものがあります。その不動産登記に不動産の所有者が誰なのかということが記されています。所有者が亡くなると、不動産の所有権が相続人に相続されます。その事実に基づいて、不動産の名義を相続人に変更する手続きを行います。

相談者
相続110番

現在、不動産相続登記手続きは義務ではないということですが、義務化をすることにどのような必要性があるのでしょうか?

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

不動産相続登記をしないでおくと、亡くなった方の名義のまま不動産の登記簿が残ってします。そうすると、世代が進むにつれて相続人、つまり不動産の共有者が増え、後にその不動産を誰が相続するのかを話し合うことが困難になります。そういった事態を避けるために、忘れないうちに不動産相続登記の手続きをやってしまうことが推奨されます。

相談者
相続110番

いつまでに登記しなければならないという期限はないということですが、相続登記を放置するとどんなリスクがあるのでしょうか?

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

相続人の増加による相続登記の手続きの難航が想定されます。 例えば、ある不動産の所有者が亡くなり、その相続人(子供)が3人いて、相続登記をせずに放置し、さらにその相続人3人が死亡したとします。その相続人1人につき3人の相続人が居たとした場合、その3人の相続人は合計9人になります。そして、次の世代も同様に相続人1人につき3人ずつ相続人がいたとすると、合計で相続人は27人となります。

 

ここまで人数が増えると、相続人同士も面識がないでしょうし、誰が不動産を相続するのかという話し合いをまとめることが困難になってきます。 このような事態を避けるためにも、きちんと不動産相続登記をすることを推奨します。
 
相談者
相続110番

これは大変ですね…。では相続登記をする上で気をつけることはあるのでしょうか?

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

はい。それは不動産を複数の相続人同士が共有名義で相続することを避けるということです。不動産を共有にしてしまうと、その時点では問題が起きなくても、次第に人間関係が変わってくる可能性がありますし、誰かが亡くなり次の相続人が現れたりすることも考えられます。

相談者
相続110番

簡単に共有名義で相続するのは良くないんですね。

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

不動産を処分する、あるいは不動産を活用しようとする局面が来たときに、相続人の意見をまとめることが難しくなる可能性があります。たとえば、売却に関しては相続人全員が同意をしないと売却することができません。すると、相続登記で共有名義にした場合、後に不動産を処分する局面で不都合が多く生じる可能性があります。

相談者
相続110番

よく共有名義にすると後の相続で揉めてしまう恐れがあると聞きますが、実際の相談事例で揉めてしまったケースはあるのでしょうか?

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

実際にお客様が相続登記を過去に共有名義にしてしまった結果、財産が処分できなくなった、または自分の持分だけを売却した結果、市場価格よりもかなり安い値段で売却せざるを得なくなったというケースなどがあります。

相談者
相続110番

相続登記について必要性や放置するリスクを伺いましたが、髙橋先生は相続登記の義務化についてどのようにお考えでしょうか?

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

義務化については直ちに賛成ということは言えません。しかし、この問題についての手立てを考える必要は今後出てくると思います。特に地方の、活用がうまくできないような不動産に関しては相続登記をしないケースが増えてきています。相続登記をしないと、誰がその不動産の所有者なのかがわからなくなります。そうすると、近隣の方々や地元の行政などへも問題が生じてきます。 例えば、放置されて倒壊しそうな空き家がある場合や、行政が土地を活用したいとなった場合、その不動産の所有者を見つけることが困難になる可能性が高くなります。相続登記をしないで放置することは、相続人だけの問題ではなく、地域の公共面からもかなりリスクのある問題となってくるのです

相談者
相続110番

相続登記を専門家に依頼すると一般的にどのくらいの費用や期間がかかるのでしょうか?

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

一般的なマイホーム(ご自宅)の相続登記ですと、専門家に依頼した場合の報酬はだいたい10~20万円以内に収まることが多いです。その他に登録免許税等のご自身で手続きをしても必ずかかる手数料が別途で必要となります。期間に関しては、揉めていない場合なら法務局での手続き準備等を含めて1~2ヶ月くらいだと思います。相続登記をするのに戸籍をかなりの通数集める必要があり、その作業に時間を有することが多いです。

相談者
相続110番

相続登記を専門家に依頼するメリットはどんなことがあるのでしょうか?

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

ご本人で相続登記手続きを進めると、相続登記をするべき不動産を見落としてしまうことがあります。司法書士等の専門家に依頼することで他に相続するべき不動産を見落とさずに手続きを進めていくことができます。また、ネットワークを持っている専門家であれば、不動産の名義変更部分だけでなく、不動産活用についての適切な専門家や、税理士をご紹介することができます。簡単な相続登記であれば、ある程度調べればご自身で行うこともできます。しかし、専門的な手続きになるので、調べる労力と時間を費やすことになります。その点については、専門家に依頼することでその労力と時間を削減することができます。

相談者
相続110番

相続人同士で意見の食い違いがある場合や人間関係が複雑な状況の場合等の、揉めてしまうことが予測出来るケースについても司法書士の先生にお願いすることはできるのでしょうか?

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

相続人同士で争いがあるようなケースの場合には、弁護士に依頼し、揉め事をクリアにしてからその後の不動産の名義変更を進めていくとことが多いです。もちろん、相続人の皆様の話し合いがまとまるようであれば、司法書士が関与して手続きを進めていくことができます。ただし、話し合いがうまくまとまらない場合は、司法書士はどちらか一方の味方をするということができず、あくまで公正な立場で手続きを進めていく必要があるのです。

相談者
相続110番

身近に頼れる司法書士がいない場合、どのような司法書士に相続登記を依頼するのがよいのでしょうか?自分に合った専門家を選ぶポイントを教えてください。

髙橋 朋宏 司法書士
髙橋 司法書士

相続登記というのは司法書士の業務においてもかなり基本的な部分になるので、そこまで差が出ることはないと思います。ただし、初めて手続きをする場面においては、相続人の方はかなり不安を抱えているでしょうから、担当してもらう司法書士に実際に会ってみて、自分に合っているのかなどフィーリングを大事にされるのが良いのではないでしょうか。

ここまで人数が増えると、相続人同士も面識がないでしょうし、誰が不動産を相続するのかという話し合いをまとめることが困難になってきます。このような事態を避けるためにも、きちんと不動産相続登記をすることを推奨します。
 

 

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