限定承認~財産を引き継ぐかどうか迷ったとき~

2018年1月25日


コラム監修:渡辺 隆之 司法書士・行政書士・相続診断士

前回までのお話はこちらのコラムにて↓

【相続放棄】の親族へ及ぼす影響

前回のコラムは、亡くなった方に借金があった場合の相続放棄についてでした。今回は、限定承認についてお話しします。

 

限定承認は、あまり利用されていない!?

限定承認は、単純承認相続放棄との中間的な手続きと考えられているものです。単純承認は、無限に亡くなった人の財産を受け継ぐこと。相続放棄は、亡くなった人の財産を一切受け継がないこと。限定承認がこの2つの間だと聞くと、一見良さそうだと感じますよね。しかし、相続放棄の申請が年間約17万件出されているのに対して限定承認は1,000件に達していない、という統計が出ています。

 

限定承認はどのようなもの?

限定承認は、民法922条でこのような説明がされています。

“相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。”

上の条文は、亡くなった人の財産を調査して借金の方が多ければ相続しない、逆に借金より貰えるプラスの財産の方が多ければその分を相続する、と解釈できます。

 

限定承認をしていれば、相続放棄より得できる場合がある!?

相続が始まったことを知ってから3ヶ月以内に何も手続きをしないと、単純承認したものとみなされます。単純承認は全ての財産を受け継ぐことなので、もちろんマイナスの財産も背負うことになります。そのため(亡くなったお父さんの財産がよく分からないなあ・・。)という場合は限定承認をしておけば、後になってから借金が見つかってもそれを背負わなくて済みます。しかもプラスの財産の方が多ければその分は引き継げるので、相続放棄をしていたら貰えなかった財産を受け取ることが出来ます。この説明を受ければ(どんな相続でも一応限定承認の手続きをしておけば、隠れた借金が出て来た時のリスク回避になっていい!)と思いますよね。

リスク回避になるのに、なぜ限定承認をする人は少ないの?

聞いた限りでは素晴らしい手続きなのに、なぜ年間1,000件弱という数しか利用されていないのでしょうか。それは一言で言うと、わずらわしい方式や手続きがあって面倒だからです。おそらくこの方式や手続きの内容を知ると、限定承認をするメリットを感じる人が少ないのでしょう。そのため結果的に殆どの人が全てを相続する単純承認か、全てを相続しない相続放棄のどちらかを選ぶことになっているのではないか、と推測します。限定承認の手続きの部分は、次回のコラムでご説明します。

 

どのような人に、限定承認は向いているの?

いくら手続きがわずらわしいとは言っても、限定承認の手続きをした方が良い人はもちろん居ます。それは亡くなった人のプラスの財産、マイナスの財産の両方が多額で、更にプラスの財産が多岐にわたっている場合です。

・財産がプラスのものもマイナスのものもあって、価値が分からない

・不動産、株式、有価証券、経営権など、財産の種類が多い

・換価、計算することが難しい美術品などの財産が多い

上に書いたような状況の人は、限定承認を検討してみてはいかがでしょうか。

 

次回のコラムでは、限定承認の手続きの中身を一緒に見ていきましょう!!

 

弊社は相続に関するご相談、専門家のご紹介を無料で承っております。
コラムの監修者に質問をしたい、限定承認の手続きについてわからないことがある・など、どんなことでも構いません。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

相続のお悩み、お気軽にご相談ください。
電話相談の受付時間は平日10:00〜18:00です。