「遺産相続」知って得する!どこが変わった?相続法改正2019

2019年9月10日

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こんにちは、相続110番です。
年金、介護、相続と高齢化が進む日本において、老後の生活をどう過ごすのかということは全国民共通の悩みといっても過言ではないでしょう。
今回は、相続について考える上で見逃せない、相続法改正についてお話します。

 

なぜ相続法は見直されたのか

昨年、相続法が40年ぶりに大幅に改正され、ルールが大きく変わったことをご存じでしょうか?
40年前と今では生活スタイルも、街並みも、そこに住む人々も大きく変化していますが、相続法は今の時代背景に合っていない部分がありました。。
そこで時代の変化に合わせて相続法が見直されました。
今回改正された相続法のうち、重要なものを以下にまとめていきます。


※平成30年7月6日、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)が成立しました。(同年7月13日公布)。


法務省HP|民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
法務省HP|法務局における遺言書の保管等に関する法律について

 

法務省の画像

 

配偶者居住権を保護するための方策

【配偶者居住権】
夫の相続が発生すると、自宅やわずかな預金をめぐり家族で言い争いが起きてしまいます。
その結果、配偶者である妻は、住み慣れた自宅を手放すことを余儀なくされてしまうことが多々あります。
「配偶者居住権」は、妻が自宅(夫の所有する建物)に住んでいた場合に、終身または一定期間、その自宅に無償で住み続けられる権利です。
この権利は、人に売ったり、自由に貸したりすることが出来ないため、評価額を低くすることができます。
そのため、妻は自宅に住み続けることができ、預貯金などの他の財産もこれまでよりも多く取得することができます。
この制度は、夫が亡くなった後の「妻の生活の安定を図るため」に新たに創設された制度です。

 

配偶者居住権についての説明

 

 

自筆証書遺言に関する見直し

これまでの自筆証書遺言は、遺言者が全て手書きで作成する必要がありました(財産目録などを含めて)。
今回この負担を軽減するため、遺言書に添付する相続財産の目録については、パソコンで作成したものや、通帳のコピー、不動産の登記事項証明書のコピー、代筆による作成ができるようになりました。

 

 

法務局での自筆証書遺言の保管制度の創設

自筆証書による遺言書はご自宅で保管されることが多く、紛失したり捨てられてしまったり、相続人のひとりに書き換えられたりするトラブルが多くありました。
今回の改正により、こうしたトラブルを未然に防ぐため、法務局で自筆証書による遺言書を保管する制度が創設されます。(2020年7月10日までに施工開始)

これにより、自筆証書遺言がより利用しやすくなります。

 

 

遺産分割前の引き出し可能

【遺産分割前の払戻し】
亡くなった方の預貯金は、相続が発生してから遺産分割協議が終わるまでの間「相続人全員の同意がない限り、相続人単独での払戻しは原則できない」とされていました。(2016年12月19日最高裁判決より)
これでは、残された妻、家族(相続人)の生活費や、亡くなった方(被相続人)の葬儀費用など、急な支払いの際に困ってしまいます。
そのため、相続人全員の公平を図りつつ、葬儀費用などの急な支払いの際に対応できるような制度が必要とされていました。
これを解消するため、今回の相続法改正により「相続された預貯金について、相続人全員の同意がなくても遺産分割協議前に払戻しが受けられる制度」が創設されました。

 

 

無償の介護が報われる制度の創設

【特別の寄与の制度】
これまでの制度では、夫の両親の相続の際に、夫の両親の介護に献身的に尽くしてきた妻は一切の財産も貰うこともなく、一方で介護に協力していない夫の兄弟たちは財産を相続するというのは不公平であるとの指摘がされていました。
夫の両親からすれば、子供の配偶者は相続人ではなく、遺言書による遺贈、もまたは、普通養子縁組をしていなければ、妻は相続する権利を持ちません。
そこで、今回の相続法改正により「被相続人の相続人でない親族は、介護の貢献度に応じて、相続人に『特別寄与料』として請求できるようになる」という制度が創設されました。

 

 

自宅の生前贈与が特別受益の対象外となる方策

例えば、生前に夫(被相続人)が妻(配偶者)に対して自宅の贈与をした場合、その自宅は遺産の先渡しがされたものとし、相続時の遺産分割において妻が受け取ることができる財産の総額からその分が減らされていました。(特別受益)
今回の相続法改正により、婚姻期間が20年以上の夫婦間で配偶者に対して自宅の遺贈または贈与がされた場合は、遺産分割における計算上、遺産の先渡し(特別受益)がされたものとして取り扱う必要がないとされました。
これにより、自宅についての生前贈与を受けた場合には配偶者へ結果的により多くの相続財産を手にすることができ、生活の安定を図ることができるようになります。

 

 

 

いつから施工されたのか?

2019年7月1日までに順次施工されています。

下記の制度については施工期日までに順次施工されます。
~2019年1月13日(施工済) 自筆証書遺言の方式緩和
~2020年4月1日までに   配偶者の居住権を保護するための方策
~2020年7月10日までに 自筆証書遺言の保管制度の創設

 

 

参照サイト:政府広報オンライン|約40年ぶりに変わる“相続法”!相続の何が、どう変わる?

 

政府広報オンライン

 

改正前に開始した相続はどうなるのか

原則として、施行日前に開始した相続については、改正前の法律を適用することとしています。(附則2条)
具体的には、子の配偶者の介護の貢献による特別寄与料の請求をする場合、2019年7月9日までに開始した相続については、改正前の法律が適用されることになり、請求することができません。
(施行日前までに遺産分割が終了したものはもちろんのこと、施行日前までに遺産分割が終了していないものも同様に改正前の法律が適用されます。)
もしも、施行日前に開始した相続についても改正法の規定を適用することにしてしまうと、相続により一旦発生した法律効果が改正法の施行により変更されることになってしまいます。
そのため、施工日以降に開始された相続から適用することとしています。

 

 

まとめ

「相続税はお金持ちの税金であって自分の家族には関係ない」という意見を耳にすることがあります。
しかし、相続税の基礎控除額を超える財産がない場合でも、相続財産の分割がうまくいかずにトラブルになってしまったといご相談がたくさん寄せられています。
もしも、相続が発生したらどうなるのか?どんな財産、負債があるのか?認知症などの病気にかかり法律行為ができなくなった場合にはどんなリスクが潜んでいるのか?…。
これを機会に、ご家族の皆さんで話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

 

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