戸籍収集の方法 相続の基礎知識

2019年1月23日


戸籍収集の基礎知識

相続人を確定するためには、まず被相続人の出生時から死亡に至るまでのすべての戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本を揃えることが必要になります。これらの戸籍謄本等は、遺産分割協議が成立して不動産や預貯金等の名義変更をする際に提出が求められるうえ、相続人の確定を行うために必要となります。 ここでは、戸籍収集の基礎知識について説明していきます。

相続人調査で必要な戸籍収集の範囲

被相続人の家族構成によって、収集する戸籍の範囲がことなります。下記の図に沿って、必要となる戸籍の範囲を確認していきましょう。

  1. どんな相続関係でも共通して必要となる戸籍
・被相続人(故人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本 ・相続人全員の現在戸籍謄本  次に、被相続人に子どもがいた場合とそうでない場合とで、収集すべき戸籍の範囲が異なるため分けて考えます。
  1. 被相続人に子どもがいた場合
・被相続人より先に死亡した子(同時死亡も含む)についての出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  1. 被相続人に子がいない場合
[1]被相続人の父母または祖父母の誰かが存命の場合 ・既に死亡した被相続人の父母または祖父母の死亡記載の戸籍謄本 [2]被相続人の父母または祖父母が全員既に死亡している場合 ・被相続人の父母双方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本 ・被相続人より先に死亡した兄弟姉妹(同時死亡も含む)についての出生から死亡までの連続した戸籍謄本

戸籍謄本類の具体的な取得方法

戸籍謄本類を取得するためには、本籍地のある市町村役場での手続きが必要です。戸籍謄本類を請求できるのは、原則としてその戸籍の構成員や直系親族の方に限られており、親戚等の代理人が戸籍謄本等を請求する場合は委任状が必要になります。ただし、弁護士等の士業の場合は職権で戸籍謄本類を取り寄せることができるため、委任状は不要です。 また、本籍地が遠方にある場合や、都合により窓口へ出向けないような場合には、郵送による申請も可能です。  郵送での申請方法 郵送で申請する場合は以下の書類が必要になります。 ・運転免許証など身分証明書のコピー1通 ・手数料分の郵便定額小為替(1通につき1枚) ・自分の宛名を書いて切手を貼った返信用封筒 ・申請依頼書1通を本籍地役所の送付先窓口に郵送します。   原則、申請書は下記の項目を記入します。 ※市区町村によっては各HP等にサンプルを掲載していることがあります。詳しくは最寄りの市町村役場に確認をしてみてください。 申請書に記載すべき項目 <請求者の情報> 住所 電話番号 生年月日 請求者氏名(印) 本籍地 筆頭者氏名 戸籍の筆頭者との関係 <請求内容> 必要とする書類:戸籍謄本 必要枚数:1枚 請求理由:相続人調査のため 必要な方の名前:(申請する方等) 必要な方の生年月日:(上記の方の生年月日) 個人事項証明書:運転免許証のコピー1枚 <戸籍証明等請求書の記入例(東京都港区)> ※手書き・ワープロは問いませんが、請求者氏名は手書きで記入し、印鑑(シャチハタは不可)を押す必要があります。 手数料・申請料金 市区町村により若干異なりますが、戸籍謄本・抄本どちらも1通450円程度です。

「出生から死亡までの連続した戸籍」を上手に収集する方法

出生から死亡までの連続した戸籍を集めるには、死亡時の戸籍を起点に出生まで少しずつ遡っていきます。 つまり、出生から死亡までの連続した戸籍を収集するためには、下記の[2]と[3]の手順を繰り返して行くのが効率的です。 [1]死亡したときの戸籍謄本(除籍謄本)を取得する [2] [1]の戸籍の中から「1つ前の本籍地」が記載されている箇所を見つける [3]見つけ出した「1つ前の本籍地」の戸籍謄本を取得する  

戸籍には保存期間がある

戸籍の種類によって異なりますが、50年~80年で戸籍は廃棄されます。平成22年6月1日以降は、戸籍法施行規則の改正によって除籍謄本・改製原戸籍の保存期間が150年に延長されましたが、戦争や災害によって戸籍が消失している場合もあり(直近では東日本大震災による戸籍消失など)、その場合は相続人が他にいないことの証明書や廃棄証明を入手しておく必要があります。

戸籍謄本類の読み取りと確認する方法

取り寄せた戸籍謄本類には沢山の情報が記載されているため、どこ見れば良いのか混乱してしまう方もいるかと思います。相続人調査では、丁寧に戸籍を読み解く必要があります。戸籍謄本類の読み取りについて、基本的な方法を説明していきます。  

戸籍で相続人の生存確認

  1. 戸籍謄本の有効期間を確認する
まず戸籍謄本等を見たら、作成年月日と有効期限を確認します。戸籍謄本の作成年月日は、現在であれば戸籍謄本の先頭にある「戸籍事項欄」に書いてありますが、古い戸籍謄本になるとこの欄がないので、戸主の身分変動を記載した欄や欄外をチェックします。
  1. 新しい戸籍かどうかをチェックする
次に「改製」という文字の有無に注意しましょう。これは「法律が変わったので戸籍謄本を作り直した」という意味で、この改製が行われると改製された日をもって新しい戸籍謄本が作られています。 つまり、その後の新しい戸籍謄本が存在しているということになるので、見落とさないようにしましょう。 「改製」があれば更に新しい戸籍も探し、なければ古い戸籍だけを探すことになります。
  1. 婚姻・離婚・養子縁組などの記載を確認する
そして、被相続人の名前の部分に「婚姻」「離婚」「養子縁組」「転籍」「認知」などの記載がないか確認して、それらの記載がある場合は記載された年月日に対応する戸籍謄本の有無を調べます。 この作業をする際には、相続関係を図にして整理していくのがお勧めです。必ず図面を作らなければならないというわけではありませんが、図にすることで間違いや漏れを防ぐという効果もありますし、誰と誰が結婚して、いつ誰を産んで、兄弟の有無についてはどうか、などをまとめると相続人の把握がスムーズに行えます。 特に年配の方が亡くなった場合では、法定相続人が既に亡くなっており、代襲相続が発生するケースが多々あるため、戸籍謄本等で相続人の確認をすることがとても大切です。  

戸籍謄本の読み取り

まずは現在の戸籍の読み方について確認しておきましょう。 [解説]
本籍
本籍とは、戸籍を請求する上でなくてはならない重要情報です。住所とは無関係で、皇居や甲子園球場など、全く関係のない土地を本籍としている場合もあります。
氏名
戸籍の最初に書いてある氏名が、その戸籍の筆頭者(戸主)です。戸籍は本籍地と筆頭者という2つの情報によって管理されています。
戸籍事項(戸籍改製)
戸籍が編成された時期と理由が記されています。
戸籍に記載されている者
この戸籍の筆頭者についての情報が記されています。筆頭者の父母はもちろん、「除籍」とある場合には死亡や婚姻・養子縁組などによってその者が除籍されていることがわかります。「送付を受けた日」と「受理者」の記載がある場合は、本籍地以外の役所に届出をし、そこから本籍地の役所に郵送されたということを記しています。
身分事項
この戸籍の筆頭者の「出生」や「婚姻」「離婚」「養子縁組」「死亡」といった、身分上の重要事項が記されています。
戸籍に記載されている者
筆頭者の次の者の情報が記されます。例えば夫婦と子ども2人の家族の戸籍の場合、筆頭者の配偶者→子どもの順で記されていきます。子供は出生の順番で記されていきます。今回の見本では配偶者の情報を読み取ることができます。
身分事項
「出生」や「婚姻」「離婚」「養子縁組」「死亡」といった、身分上の重要事項が記されます。今回の見本では、配偶者の氏名と従前戸籍を読み取ることができます。

除籍謄本の読み取り

除籍謄本も戸籍謄本と基本的な読み方は変わりませんが、大抵の場合は縦書きです。除籍謄本は、誰か一人が除籍されているのではなく、全員が除籍された抜け殻の戸籍ということなので、戸籍にまだ配偶者や結婚していない子どもがいる場合には、除籍謄本は発行されません。(戸籍謄本が発行されます。) 必ずしも冒頭の部分に「除籍謄本」と書かれているわけではありませんが、人の名前の部分に大きな×がついている、または、除籍というスタンプが押してあります。そのため、戸籍謄本か除籍謄本かはすぐに判断することができます。

改製原戸籍の読み取り

改製原戸籍の構造は現在の戸籍謄本と同様ですが、縦書きという点で異なります。 改製された後の戸籍には、その当時在籍していた者についてのみ記載されます。したがって、戸籍の改製前に死亡や結婚等でその戸籍から除籍されている人は、改製後の戸籍には記載されないということに留意しておく必要があります。

まとめ

相続人調査は手間のかかる作業ですが、地道に辿っていけば専門家を頼らずとも自力で行うことはできます。ただし、調査の際に漏れがあると遺産分割協議に影響が出てしまいます。また、古い戸籍の内容を把握するのは、とても大変な作業となりますので、弁護士や行政書士などの専門家に相談することも検討されてみてはいかがでしょうか。  

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