遺言とエンディングノート、違いと使い分け方

2017年4月21日


「エンディングノート」という言葉を聴いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし「遺言」と「エンディングノート」の違いは何でしょうか?

 

遺言とは?

遺言とは、民法で定められている法律行為であるため、書かれている内容は法的効力をもちます。遺言者の意思を尊重する制度なので、遺留分の範囲を超えない限り、遺産分割の割合などについて法定相続分より優先されます。

また、遺言ができる人には年齢制限がありますが、15歳以上で意思・判断能力があれば親権者や法定代理人の許可・同意がなくても作成することはできます。また、成年後見制度を利用している方で被保佐人、被補助人の場合は保佐人・補助人の同意が無くても作成できます。しかし成年後見制度の被後見人は本人に意思・判断能力がないので後見人が代理で行ったとしても、遺言を作成することはできません。ご自身が健康なうちに早めに取り掛からないと遺言が残せなくなることもあるので、要注意です。

また、遺言は規定に沿った書き方をしなければ無効になる場合もありますので、専門家を交えて作成することをおすすめします。

通常の場合の遺言は3つの種類があります。それぞれ特徴や違いがあるのでご自身に合った方法を探してみてはいかがでしょうか。

どれが一番いいの?遺言書の種類

 

エンディングノートとは?

エンディングノートは自分の想いや思い出の整理をするだけでなく、自分自身にもしものことがあった場合に家族が困らないよう連絡事項をまとめておくこともできます。遺言書とは違い法的効力はありませんが、書き方に決まりがないので自由に書くことができます。また、遺言を作成する前にまとめておくことで、エンディングノートと照らし合わすことができ、記述の漏れなども防ぐこともできます。

 

エンディングノートに書くことは?

エンディングノートはいろいろな企業・団体が販売・無料配布を行っていますが、基本的な内容はほとんど同じです。デザインやレイアウトなどご自身の気に入ったものを選んでください。また、記入する内容は遺言とは違い、多岐にわたります。

①自分について・・・氏名、生年月日、住所、学歴、職歴、病気の内容、家系図、家族との思い出など

②親族や関係者について・・・親類関係、友人関係、住所、電話番号、葬儀告知の有無など

③介護・治療について・・・告知の有無、終末治療の希望、臓器提供や献体、介護費など

④資産について・・・預貯金、口座、株式、不動産、その他金融資産、借入金・ローン、生命保険、年金など

⑤葬式・お墓について・・・葬儀業者、葬儀会場、費用、規模、宗派、喪主の指定、戒名・法名、埋葬方法、お墓の場所など

⑥携帯電話、パソコンなどの情報について・・・メール・SNSなどのアカウント、データの処分方法、サービスの解約など

⑦その他・・・遺言書の有無、ペット、遺品、依頼先リストなどについても書けるものもあります

⑧遺言的内容(法的効力はない)・・・遺産の内容、遺産の分け方など

⑨大切な人へのメッセージ

このように、エンディングノートには個人情報をたくさん書くことになります。預貯金口座のパスワードを盗み見て勝手に引き出す・・・というトラブルも発生していますので、書いたら必ず糊付けをするなどして、個人情報が漏れないように心がけてください。

 

多様化するエンディングノートの世界

エンディングノートと聞くと「ノート」をイメージしますが、時代の流れとともにエンディングノートも多様化してきているのはご存知でしょうか?たとえば、映像や音声で遺せるサービスだけでなく、スマートフォンアプリも登場しています。エンディングノートには法的効力はありませんが、法的効力が無いからこそ多様化し、いろいろな形で思いを残せるようになっています。それぞれの特徴を解説しましょう。

①手書きで遺すエンディングノート

形式に沿って書くことができ、書き漏れが一目でわかります。パソコンでダウンロードしたものをプリントアウトするタイプのエンディングノートもあるので、費用が安く済みます。

また、一番の特徴となるのが、手書きのエンディングノートは遺言の補完材料となるので、相続人間で紛争になった際の証拠として扱われるということです。あくまでも遺言があることが前提となりますので、前述したとおりエンディングノート自体に法的効力はありません。

エンディングノートを販売している会社のほんの一例をまとめましたので、ご参考までにご覧ください。

ナルク「エンディングノート」

コクヨ株式会社「もしもの時に役立つノート」

主婦と生活社「私のエンディングノート」

野村證券「マイライフノート」

無料ダウンロード

暮らしづくり終活「エンディングノート」

 

②映像で遺すエンディングノート

自分の姿をそのまま残すことができ、気持ちが伝わりやすいのが特徴です。また、手話や音声で想いを残すことができるので、障害をもたれている方や相続人の中に障害のある方がいる場合には、伝えやすいのではないでしょうか。

撮影だけでなく、保管までしてくれるサービスを行っている企業もありますので、ご紹介します。

株式会社グランツ「つたえびと」

 

③アプリで遺すエンディングノート

いつでもどこでも書くことができ、書き換えも自由にできます。サービスによっては伝えたい人だけに情報を開示することも可能で、文字だけでなく写真や音声で記録する機能もあります。手軽にはじめられるのが一番の特徴です。

ARDENT WISH INC.「100年ノート」

DOORS Co.,Ltd.「エターナルメッセージ」 

 

共通していえることは、それぞれの思いを残された人たちに伝えることができ、思い出としても遺すことができるということですね。遺言では書ききれない思いを残すことで、相続人同士の紛争も防げる確率が上がるので、遺言とエンディングノートは一緒に遺すことをおすすめします。

また、生前から家族とのコミュニケーションをしっかりと取っておくことで、遺言やエンディングノートにこめられた想いをより汲み取ることができるかもしれません。

エンディングノートのご質問や、遺言作成の専門家のご紹介なども無料で承っております。

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