夫が亡くなる前に相続に関連して準備しておくこと(42歳 女性 主婦)

2015年4月22日


ご相談

友人から「夫がなくなった」と連絡がありました。相続問題で大変そうです。

夫が亡くなる前に準備すること

先日、幼馴染みの友人が夫をなくなたと知らせを受け、葬儀に行ってまいりました。旦那様はまだ40代前半、突然倒れそのまま帰らぬ人となったようです。私の夫も年齢的にも同じ位なので他人事とは思えません。

友人は私の実家近くに住んでいますが、初七日が終わったあとに疲れが出たのか、寝込んでしまっているというのは本人からも聞いていました。最近になって、私の母から聞いた噂話ですが相続の事で旦那様のご兄弟が友人のところへ押しかけ、大変なことになっているらしいのです。友人はしっかりとした旦那様に頼りっきりという印象で家計の事も旦那様に任せているといっていましたので、ご兄弟がいらっしゃっても、きっと困惑していると思います。小学生の娘がいるので、それも心配でなりません。

私の夫が若くして亡くなるなんて考えていませんが、身近で友人を見ていて、私もしっかりしないとと考えるようになりました。今のうちから準備できる事があったら教えてください。夫とも話し合っておきたいと思います。

夫が亡くなる前の準備相続110番

ご回答

昔よりは随分と減ってきたようですが、資産を多くお持ちのご家庭ではいまだ顕著に見られる「夫の財産管理」。奥様が全く家計や財産の事を把握していないという場合、状況もわからないままで困り果て、相談にいらっしゃる方もいるのです。

遺産分割協議や相続税の納付まで様々な手続きが待っているのは確かですが、夫に万が一の事があった際を想定し、必要最低限知っておかなければ、遺産分割協議も相続税も進まない事態に陥ってしまいます。

 

①自宅の金庫の暗証番号

夫が不動産や株等の財産を管理している場合、自宅の金庫を利用するというのも少なくないようです。不動産の権利書や生命保険の証書類など金庫に納めている事も多く、日常では家族でも触れることがない金庫であっても、もしものために各書類などの場所の把握と金庫の暗証番号くらいは把握しておきたいものです。

取引銀行を確認しておこう 相続110番

②取引銀行、証券会社など取引のある金融機関の名前

もちろん、夫の預金通帳や証券などがすべて揃っていれば問題ありませんが、万が一場所がわからないような時には夫の取引銀行やその他金融機関の名前があれば、調査をする事ができます。トラブルに発展しそうな時には、まず夫が利用していた取引銀行へ連絡をする事で口座が凍結されますので、勝手に誰かがお金を引き出したりなどができなくなります。

→では、取り急ぎの場合、凍結されるのは困る!という方は?

現金を管理していない奥様の場合、口座凍結により、実際に葬儀代も払えず困ってしまうという事は現実で起こっている話です。対策としては、

▼妻名義の口座を

贈与税に関わってくる話ですが、年間で110準備しておく

万円までは贈与税は非課税になります。贈与税もかからず、口座凍結の心配もありません。その際は、贈与契約書などの作成しておきましょう。(あえて、110万円以上の贈与で、税の申告をして、申告書を贈与を受けた証拠とする場合もあります。) 

銀行などでも、特別な措置として葬儀業者の領収証等の提示などで法定相続人として確認することができれば一定の額までの預金を下ろせる場合もあるようですが全ての金融機関で通用する話ではないようですのでやはり亡くなった後の出費分などは生前対策をとっておきたいものですね。

▼信託銀行の相続型信託を利用する

昨年からCMでも良く見かける信託銀行が様々な商品を打ち出していますが、葬儀費用や納税資金の活用に広く知られている商品です。例えば受取人を奥様にしておき、葬儀その他費用として400万を銀行に預けることで、亡くなった時に証明書類のみの提出で奥様がすぐに受け取ることができるのがメリットです。

一つの金融機関の商品例を取り上げてみると、下記のようになっています(あくまでも一例です)

信託金額200万~3000万円(※1)
プランの選択①一時金家族用②定額受け取り家族用③ご自分用(定額受け取り) ①~③で一つ選択
内訳金額上記プラン毎の金額を指定
信託期間5年以上30年以下を指定

 ※1 信託金額は他の相続人の遺留分を犯さないよう、銀行担当者と打ち合わせをして決定します。また、保有財産の1/3までなど上限が決められています。

 上記で言えば、①のプランで最低限の葬儀費用の出費に備えることができるはずです。

また、遺産分割協議が進んだ後も、口座凍結を解除する為に、同様の書類を銀行ごとに準備しなければなりません。できる事ならば取引銀行は一本化しておきたいですね。

契約している保険会社を確認 相続110番

③保険証券の保管場所、保険会社の担当者などの情報

夫が経営者の方などの場合、お付き合いで様々な保険会社の商品に加入されていることも少なくありません。また、相続財産ではありますが、受取人を指定できる便利なものです。一時金として受け取れるものや定期定期に継続して受取人に支払われるものなど用途に合わせての活用が可能です。(法定相続人の保険金受け取りは【500万円×法定相続人の数】までは非課税)

しかしながら、保険会社の担当者がすぐに飛んでくるような間柄であれば、親身に丁寧に対応してくれるはずですが、ネットで気軽に契約できるものや、保険会社の担当が代わって顔も見たことがないという場合は、手続きを踏まないかぎり、保険金が支払われることはありません。夫が誰にも相談せず加入していて、存在をしらない家族は手続きもせず保険金も支払われないまま、請求時効(原則として支払事由が発生した日の翌日から3年で時効)を迎えてしまう事がないように、証券などの場所は把握しておきたいですね。

公的年金の手続きもあります 相続110番

④年金手帳や年金証書の保管場所

亡くなった夫のの職業により、「厚生年金」「国民年金」などの違いが有りますが、年金という点では亡くなった際に遺族が受け取ることのできる遺族年金があります。夫が年金加入者で、その遺族であれば誰でも受け取れるものではなく、それぞれに一定の条件があります。

▼年金加入者の要件

夫が亡くなった日の月の前々月までの期間において「2/3以上の期間」、保険料の納付がある事が必要です。

▼受け取る側の要件

故人により生計を維持されていた遺族が大前提となります。また、遺族基礎年金(国民年金)と遺族厚生年金(厚生年金)それぞれで対象者が異なりますのでご注意下さい。

・遺族基礎年金(国民年金)受給対象者

「子のある妻」または「子」。子は18歳到達年度の3月31日を経過していない子、もしくは20歳未満で障害年金の障害等級1または2級の子を指します。

・遺族厚生年金(厚生年金)受給対象者

「妻」「子・孫」「55歳以上の夫・父母・祖父母」。子や孫には遺族基礎年金と同様の年齢条件があります。夫・父母・祖父母も55歳以上であれば受け取ることは可能ですが実際の支給は60歳からとされています。

上記に当てはまる人が全員受け取れるのではなく、①夫、妻(配偶者)・子→②父母→③孫→④祖父母という優先順位が付けられています。

遺族年金だけでなく、寡婦年金や死亡一時金などの制度もありますが別途ご紹介したいと思います。

要は、公的年金と呼ばれるものや一時金は条件を満たしていれば誰しもが利用できる制度です。いざという時にこのような制度があることを頭の隅に入れておきたいですね。相続ではなく生計をともにしている家族に与えられた受給権です。夫からの相続ではなく受給者の固有の権利といったほうがわかりやすいかもしれません。よって、 夫からの相続で相続放棄をした場合でも受給権が消滅することはないのです。

エンディングノート財産ノート 相続110番

夫の財産について亡くなった時に判るように夫と話合っておきましょう

最近流行のエンディングノートという言い方は40代の方達には、抵抗があるかも知れませんが、せめて「財産ノート」くらいは夫婦で共有しておければよいのではないでしょうか?いったいどの位の財産がどこにあるのかが判らなければ、遺産を分割したり使ってもらう事すらできないのです。

うちの夫がもしも・・・と考えたくない気持ちもわかりますが、夫が亡くなった後では自ら銀行にさえ行くことはでいません。家族の為に何をしておくべきかは、ご夫婦で話し合っておきたいですね。

もちろん、夫の相続について生前対策として専門家に依頼する手もありますし、対策は上記に挙げたものばかりではありません。
何かお困りの事がありましたら、再度ご相談下さい。

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