相続税の申告やり直しや還付が受けられる!?どうすればいいの?

2017年5月22日


相続税の申告はとても複雑で、個人で申告するとなるととても労力のかかるものなのですが、申告した後になって申告漏れや、記入間違いに気づくことがあります。中には、不動産の評価が適正ではなく、過大申告して相続税を多く払ってしまっている場合もあるのです。

 

過小申告をしていた場合

相続が発生したときに財産調査を十分に行わなかった結果、申告後に新たに相続財産が見つかった場合や、相続税の特例の適用に間違いがある場合、また現預金以外の財産評価を間違えるなどさまざまな要因で、本来申告しなければならない相続税の金額より少なく申告してしまうことがあります。本来の相続税額より少なく相続税を納付したということなので、相続税を追加で払わなければなりません。過少申告をしたことに気がついたときは、すぐさま「相続税の修正申告」をしましょう。相続税の修正申告は、相続税の申告期限内に申告を完了しているものが対象となります。

 

税務署へ修正申告をするタイミングと過少申告加算税

相続税の修正申告をするタイミングによっては追徴の相続税だけでなく、過少申告加算税という税金が別途請求されます。この過少申告加算税は追徴納付することになった相続税額に対して加算される税金です。また、修正申告をするタイミングとアクションは主に3つで、事前通知を受ける前に自主的に申し出る場合、事前通知を受けた後に自主的に申し出る場合、税務調査を受けてから申告をした場合です。これらの状況によって過少申告加算税の税率が変わるので、よく確認してみてください。

①事前通知を受ける前に自主的に申し出る

過少申告をしてしまうと、税務署から税務調査をお知らせする事前通知が送られてきます。この事前通知が送られてくる前に、自主的に修正申告の申し出をすると、過少申告加算税が免除され、通常の相続税のみの追徴納付となります。

②事前通知を受けた後に自主的に申し出る

過少申告したことに気がつかなかったときや、気がついているにもかかわらず放置していると、税務署から税務調査の事前通知が届きます。これを受け取った後に自主的に修正申告の申し出をすると、条件により追徴納付する相続税額に5%または10%の過少申告加算税が課税されます。修正申告前に申告していた相続税額と50万円のいずれか多い金額までの部分は5%課税され、修正申告前に申告していた相続税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分までは10%課税されます。

この内容で気をつけなければならない点は、相続税の法廷申告期限が平成29年1月1日以後に到来するものについてのみ適用されるということです。平成28年12月31日以前に相続税の法廷申告期限が到来するものについては、①と同じ扱いとなるので過少申告加算税は免除されます。

例1

平成29年1月1日以後が相続税の申告期限で、修正申告する前の相続税額が150万円、修正申告した結果、本来の相続税額が500万円だったとします。修正の前と後では相続税額に350万円の差額が生じています。修正申告前の150万円と50万円では、修正申告前の150万円の金額のほうが大きいので、差額の150万円以下の部分に関しては過少申告課税が5%となり150万円×5%=7万5,000円、150万円を超える350万円-150万円=200万円の部分に関しては過小申告課税が10%なので200万円×10%=20万円、7万5,000円+20万円=27万5,000円が過少申告加算税額の合計となります。

本来なら500万円の相続税で済んだものが、527万5,000円払わなければならないのです。

 

例2

平成29年1月1日以後が相続税の申告期限で、修正申告する前の相続税額が30万円、修正申告した結果、本来の相続税額は115万円だったとします。修正の前と後では相続税額に85万円の差額が生じています。修正申告前の30万円と50万円では、修正申告前より50万円の金額のほうが大きいので、50万円以下の部分に関しては過少申告課税が5%となり50万円×5%=2万5,000円、50万円を超える85万円-50万円=35万円の部分に関しては過小申告課税が10%なので35万円×10%=3万5,000円、2万5,000円+3万5,000円=6万円が過少申告加算税額の合計となります。

本来なら115万円の相続税で済んだものが、121万円も払わなければならないのです。

 

③税務調査を受けてから申告した場合

税務調査の事前通知が届いた後も対応しない場合、税務署の調査官が税務調査をしに家にやってきます。税務調査の結果、申告漏れの財産が見つかり指摘を受けると10%または15%の過少申告加算税が課税されます。修正申告前に申告していた相続税額と50万円のいずれか多い金額までの部分は10%課税され、修正申告前に申告していた相続税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分までは15%課税されます。

例3

修正申告する前の相続税額が150万円、修正申告した結果、本来の相続税額は500万円だったとします。修正の前と後では相続税額に350万円の差額が生じています。修正申告前の150万円と50万円では、修正申告前の150万円の金額のほうが大きいので、150万円以下の部分に関しては過少申告課税が15%となり150万円×10%=15万円、150万円を超える350万円-150万円=200万円の部分に関しては過小申告課税が15%なので200万円×15%=52万5,000円、15万円+52万5,000円=67万5,000円が過少申告加算税額の合計となります。

本来なら500万円の相続税で済んだものが、567万5,000円も払わなければならないのです。

 

意図的に財産を隠していたら、税率がさらに上がる!

税務調査により申告漏れの財産の全部または一部を意図的に仮装・隠蔽されたとみなされると、重加算税35が課税されます。意図的に財産を隠すということは脱税行為ですので、通常の加算税より重いペナルティが課せられるのです。税務署は税務調査にはいる前に事前調査を行い、申告漏れ財産の有無は予め調べてきているそうなので、悪い考えは止したほうがいいですね。

また、これら過少申告加算税や重加算税とは別に、法廷納期限の翌日から完納する日までの日数分の延滞税も別途課税されます。延滞税の計算方法は国税庁のホームページをご覧ください。

延滞税の計算方法→国税庁:延滞税の計算方法

 

過大申告をしていた場合

相続税の申告を終えた後に、何らかのきっかけで相続税額を多く払っていたことに気がついたら「相続税の更正の請求」を行い、払いすぎた相続税の還付を受けることができます。特に、土地の評価額というのは複雑で難しく、不動産に強い税理士も少ないため、不動産を相続された方は還付を受ける確立が高いそうです。

 

相続税の更正の請求の請求期限

相続税の更正の請求には期限があります。原則、相続開始日から5年10ヶ月が請求期限となります。ただし、特別な事由がある場合は5年10ヶ月の期限に限らず、その特別な事由が発生した日の翌日から4ヶ月以内であれば請求できます。

<特別な事由とは>

 ①未分割財産の分割が行われた場合

 ②認知、相続人の廃除等により相続人が変わった場合

 ③遺留分減殺請求をされて遺留分を支払った場合

 ④遺言書が発見され、遺贈や遺贈の放棄の旨があった場合

①未分割財産の分割が行われた場合とは、相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらず、法定相続分で相続税を一旦仮の状態で申告したとします。その後遺産分割協議がまとまり、自分が支払うべき相続税が仮の状態で申告した法定相続分の相続税より少なくなったときや、未分割財産の分割が行われたことにより特例などが適用される範囲となることで相続税額が少なくなったときとことを指します。

②認知、相続人の廃除等により相続人が変わった場合とは、子供の認知や相続人の廃除、相続人の廃除の取消など裁判所の確定などにより相続人に変動があったときを指します。

③遺留分減殺請求をされて遺留分を支払った場合とは、兄弟姉妹を除く相続人(配偶者、子、父母)に対して相続財産を最低限相続できる割合が法律で定めらており、これを遺留分といいます。遺留分権利者である相続人が遺留分を侵害されたとき、ほかの相続人から取り戻すことができ、これを遺留分減殺請求といいます。ほかの相続人から遺留分減殺請求をされ、相続財産から遺留分の捻出をして支払った際に、相続財産が減るので相続税も減ることを指します。

④遺言書が発見され、遺贈や遺贈の放棄の旨があった場合とは、相続税の申告後に被相続人が書いたとされる遺言が見つかり、相続財産の全部または一部を相続人もしくは相続人以外の第三者に遺贈する旨が書かれていたときや、遺贈を受けた人(受遺者)がその遺贈を放棄し、相続税に変動があったときのことを指します。

 

税務署は過少申告に対しては大変厳しい対応ですが、過大申告に対しては税務署から多く支払っているという連絡をしてくることはないので、見逃してしまうことが多いそうです。また、不動産を相続した場合、評価方法によっては大幅な還付を受けられるケースがよくあるので、相続税の申告をし終わった方もセカンドオピニオンとして専門家への相談をしてみてはいかがでしょうか。不動産の評価についてのコラムも参考にしてみてください。

相続税の還付があったと友人から小耳に挟みました(62歳 女性 主婦)

相続税の見直しや還付などの手続きについては、相続に強い専門家へ相談することを推奨します。相続のご相談や専門家のご紹介など無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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