相続と遺言。相続人が困らない遺言の残し方

2015年10月22日


 相続で ”遺言書らしきもの”発見?! これは本当に遺言になるの? 

 
遺言なのかどうなのか、認められるものなのか。など遺品の整理をしている際に突然出てきた”遺言らしきもの”。

「遺言書」とは書いてあるけど、果たして有効なのか?という様なものがでてきたらどうしたら良いのでしょう。最近よくお問い合わせのある、遺言について紹介したいと思います。

エンディングノート財産ノート 相続110番

エンディングノートは遺言?

相続のブームとして最近ではエンディングノートなどの売れ行きが好調のようです。亡くなったときに残された家族が困らないようにと、葬儀・供養の希望や取引金融機関の名称、最近はお年寄りでもお使いになっているPCのプロバイダ契約のことから、ペットのかかりつけ医までと記載項目にも配慮が行き届いた項目が連なっています。

確かにここまで生前の状況を細かく記載しておけば、もろもろの手続きも随分と楽になるな。と感じるノートなのですが、エンディングノートは遺言書としての効力を果たすのでしょうか?

ほとんどのエンディングノートにはどこかに「遺言としての法的拘束力はありません」なる一文が記載されています。ノートを項目どおりに書き進めたとしても遺言にはならないのが実際なのです。

しかし遺言にならないからといって、この様なノートは不必要かというとそうとは限りません。

相続110番 

①遺言を書く際に役立つ!

一度、ノートに財産の状況やお世話になった方、ペットのことなど、自分が死んだ後の事を振り返り、整理することができます。自分史を振り返ることや財産の全体像を眺めることで、遺言に記載する財産の種類などに漏れがないように書き留めておく事意味でも重要な役割を果たすのです。

せっかく遺言書を書いたとしても、相続財産の行方がわからない不動産や金融資産がでてくると相続人の間でトラブルになりかねないからです。

②遺言ではないから自分の自由に気持ちを書ける

遺言になる遺言書については、規定された書き方で書かないと無効になる場合もある為、注意が必要ですが、財産以外のことでも自由に記載することができます。学生時代の想い出、子ども達の名付け親は誰だったか、兄弟姉妹の幼い頃の仲良しエピソード、初恋の方の名前まで書いたっていいのです。

こういった故人の回想録のおかげで、相続トラブルになりかけた兄妹の心を落ち着かせてくれるきっかけになるかも知れないのです。

③問題点や気持ちの整理ができる

①でもご紹介したように実際に遺言を書く際に、財産の整理をする事にもなりますが、全体を振り返ることで気持ちの整理や相続するにあたっての問題点がないかを冷静に考えることができるのです。エンディングノートをかけるうちなら、問題があったとしても、対策に着手することもできますね。

④もしもの時の備忘録として!

万が一、急に病院に運ばれるような事態になったとき、かかりつけ医や服用している薬の情報があれば家族も助かります。緊急時には大変役立つノートにも変身するのです。

 

遺言にはならないけれど

遺言にはならないエンディングノートですが、上手に使えば相続の対策には便利なアイテムになることでしょう。万が一の際、見つけてもらえるように保管場所は誰かに伝えておく必要もありますね。

しかし、生きているうちには見られたくない内容もあるでしょうから、最近ではもしもの時に見られてもいい、かかりつけ医や薬、葬儀の方法などの情報と、財産や子ども達へのメッセージなど2冊に分けている方も多いようです。何れにしても保管方法は考えたほうが良いでしょうね。

遺言らしき紙切れ?

走り書きのような、形の遺言書が見つかったら?例えば、鉛筆で書かれており、チラシの裏に遺言書と書かれた文書。果たしてこれは遺言書なのかという事です。

遺言書の最低限知っておくべき注意点は

①すべての項目において自筆である(ワープロ・代筆・動画などは不可)

②遺言を記載した日の正確な日付・戸籍上の氏名、実印

③財産の情報、相続させる人は正確に特定できるように記載(不動産なら登記簿上の名称、相続人は戸籍の氏名と住所・生年月日など)

④「○○に相続させる」という表現を使うこと

主なポイントは上記となり、実はチラシの裏でもOK。鉛筆でもOK。とされているのです。紙にもペンにも決まりはありません。

しかし、鉛筆ならいつ消えてもおかしくありませんし、チラシの裏なら誤って紛失する可能性だってあります。こういった、自身で記載するものを自筆遺言証書といいますが、やはりある程度知識を持った上で書くことをオススメします。

更なる注意点はこちらのページへ→【自筆遺言証書作成時の準備と注意点

相続110番

遺言書が二つある?どちらの遺言を採用するの?

異なる内容の遺言書が二つ出てきた場合にはどちらの遺言書を採用するのでしょうか?書式に問題はなく遺言としてどちらも条件を満たしている場合、決め手は日付です。当然ながら後に書かれた日付の遺言が法的には認められることになるのです。

また、財産の状況が変わった場合(増減)も遺言書の訂正が必要になりますが、訂正の方法も指定があります。一から書き換えることもあるかと思いますがきちんとした知識の元訂正を行って下さい。

せっかく書いた遺言で揉めない為にも時には見直しも必要なのです。

遺言がでてきたら、勝手に開封しない!

残された遺品を整理していると突然出てきた遺言書。遺言なんかあるはずないと思っていた家族はやはりその場で開封したくなりますよね?

しかし、中身を出して確認するのは法律によって禁止されているのです。見つけた遺言書は必ず家庭裁判所で検認をしてもらいましょう。

自筆遺言証書作成時の準備と注意点】のページでもご紹介していますが、相続人の間でのトラブルを避ける為に遺言を残す方は封筒にも「開封せず家庭裁判所へ提出すること」と一言そえておくとよいでしょう。

検認とは、遺言書の内容を偽造・変造されないために裁判所が証拠を残す手続きです。中身を空けたからといって遺言書自体が無効になるわけではありませんが、見つけた方は改ざんなどを疑われない為にもまずは検認手続きをされて下さい。

遺言も一筋縄ではいかない

自筆遺言証書は正式な書式で記載され、かつ、きちんと保管がなされていなければ、必要なときに相続人の手元に届くことができません。きちんと遺志を伝える為にも公正証書遺言や専門家の手も借りる事もあわせて考えたいものです。

相続に関する下記よりどうぞ(無料)
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