【お悩み別ガイド】相続手続きは誰に相談すべき?

2019年8月28日


 

こんにちは、相続110番です。
相続についての相談を誰にしていいのかわからないとご不安な方も多いのではないでしょうか?
相続と一言にいっても、その相談先は弁護士・司法書士・税理士・行政書士・金融機関とお悩みによって大きく異なります。
今回は、お悩みや目的ごとに分けて、どの専門家に相談したら良いのか、また費用はどのくらいかかるのか説明していきます。

 

お悩み別専門家一覧表

お悩み別専門家一覧

 

ご自身が抱えているお悩みがどの手続きなのかを把握した上で、各分野の専門家に相談にいきましょう。
「〇は対応できる業務」
「△は一部対応できない業務がある」
「×は適切な専門家ではない」
を表しています。
今回は、相続110番によく問い合わせのある手続きについて、その内容と期限、相談する専門家、費用についてまとめていきます。

 

 

【相続発生後の手続き】

1.相続登記(不動産名義変更)

不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を亡くなった方(被相続人)から相続人へ名義の変更を行なうことをいいます。

 

いつまでにやらなきゃいけないの?

相続登記は、いつまでに行うという明確な期限はありません。
しかし、相続が発生し相続登記をしないで何年も放置してしまうと、さまざまな問題が生じ、余分な費用と時間がかかる場合があるため注意しましょう。

 

誰に相談する?

相続登記は司法書士しかできない独占業務です。
そのため、相続による不動産の名義変更をする場合は司法書士に依頼しましょう。
なお相続登記は、自分で行うことも可能です。
この場合には、法務局で手続きの流れや必要書類を確認しましょう。
ただし、不動産や相続の知識がないと負担が大きくなることもある点や、誤って相続登記をしてしまった場合に修正ができなくなってしまうリスクがある点に注意しましょう。
少しでも不安がある場合には、司法書士に相談に行くことをおすすめします。

 

費用は?

司法書士の報酬は依頼者との間で自由に定めることができるとされています。相続登記の場合、司法書士報酬は不動産の数や地域、相続人数によっても異なりますが、およそ6万円~10万円の報酬が一般的とされています。
その他に、ご自身で手続きをした際にもかかる費用(実費)として3千円~2万円、登録免許税として固定資産税の0.4%(3000万円の不動産の場合12万円)程度が別途必要となります。

 

相続登記の申請費用について

 

相続登記の実費一覧

 

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2.預貯金・有価証券の解約、名義変更

相続発生後の預貯金や有価証券の解約や名義変更手続きの相談先は、司法書士・行政書士・信託銀行に依頼をするか、ご自身で直接金融機関に問い合わせて手続きをすることもできます。
資産が2億円以上、相続財産に不動産が含まれる、または必要書類を用意する時間がないなどの場合には専門家に相談することをおすすめします。

 

いつまでにやらなきゃいけないの?

銀行の預貯金の相続手続きには原則手続きには期限はありません。
しかし、10年間以上口座を使用していない場合、その口座は休眠口座とされてしまうためいつまでも放置していいものではありません。

 

こんなときは行政書士に依頼しましょう。

相続財産に不動産がなく預貯金や有価証券のみの相続手続きを専門家に任せたいという方は、行政書士にご相談することをおすすめします。

 

費用は?

費用は1金融機関あたり3~5万円程度です。
サービス内容によって異なりますが、預金の解約、名義変更のみを司法書士へ依頼する場合の報酬より低額であることが多いです。

 

こんなときは司法書士に依頼しましょう。

相続財産に不動産がある場合には、司法書士へご依頼することをおすすめします。
不動産の相続登記は司法書士の独占業務のため、預金の名義変更、解約と不動産登記をまとめて依頼することができます。

 

費用は?

費用は1金融機関あたり3~5万円程度です。
預金の解約、名義変更だけでなく、相続税申告以外のすべての相続手続き(財産、相続人調査、戸籍収集、遺産分割協議書作成など)の代行サービスを提供していることが多いです。(相続財産の金額によって報酬が異なる)

 

こんなときは信託銀行に依頼しましょう。

相続財産の総額が2億円以上あるような方は、信託銀行の遺産整理手続きというサービスを利用するという方法があります。
大手の金融機関が窓口となり、司法書士や税理士の手配も含めすべての相続手続きを行うなど、手厚いサービスを受けることができます。

 

費用は?

費用は最低でも50万円以上で、専門家への報酬は別途で請求されます。
そのため、各専門家などが行っている遺産整理業務に比べると高額になることが多いです。

預金の名義変更の場合の専門家費用について

 

 

司法書士・行政書士・信託銀行を探す


 

3.相続税申告

相続税申告は、誰もがしなければいけない手続きではありません。
遺産総額が3,600万円以下であれば無条件で相続税申告は不要です。

 

いつまでにやらなきゃいけないの?

相続税の申告・納付は、相続の開始があったことを知った日から10ヵ月以内にしなければなりません。
この期限を超えると脱税とみなされペナルティ(追徴課税)が課せられる恐れもあるため、余裕をもって手続きをしましょう。

 

誰に相談する?

相続税申告書の作成は税理士の独占業務です。
そのため、税理士以外が他人の相続税申告業務を行うことはできません。
また、相続税申告書の作成は専門性が高く複雑であることから、税理士に相談せずに自分1人で行う場合には注意して手続きしてください。
税務署は基本的な手続きについては教えてくれますが、節税のポイントなどは教えてくれません。
本来より相続税を高く払いすぎてしまうリスクを考えると、税理士相談することをおすすめします。

 

費用は?

税理士の報酬は依頼者との間で自由に定めることができるとされています。
相続税申告の税理士報酬は一律でいくらという設定ではなく、相続財産の金額によって変動することが一般的です。
相場は相続財産の総額の0.5~1.0%です。(総額が1億円の場合、税理士報酬は約50~100万円程度)
財産額が大きくなるほど相続税額も大きくなり内容も複雑になることが多く、それに応じた報酬設定になっています。

 

税理士報酬について

 

 

注意点

税理士にも専門分野があります。
会社の顧問や所得税の確定申告がメインの税理士の場合、相続税法について詳しくないということもあります。
相続税に不慣れな税理士に依頼してしまうと、土地の評価など高くしてしまい、相続税を多く払いすぎてしまう可能性もあります。
相続税申告の相談に行くのであれば、少なくとも年間に30件以上は相続税申告を行っている税理士事務所を選定するといいでしょう。

 

税理士を探す

 

4.遺産分割トラブル

 誰に相談する?

相続人間の遺産分割協議がまとまらず相続争いになっているケースや、遺言内容をめぐって争いが起きているような場合には弁護士に相談しましょう。
遺産分割トラブルの場合、弁護士が間に入り話し合いをするだけで解決することもありますが、家庭裁判所の調停手続きとなるケースが多くなります。

 

費用は?

弁護士の報酬は依頼者との間で自由に定めることができるとされています。
一般的に、弁護士費用は「相談料」「着手金」「報酬金」の3つで成り立っており、弁護士に相談する内容で費用が変わる為、厳密に言うと相場というものはありません。
弁護士の報酬は、依頼者がどれだけの遺産を取得することになったか、つまり依頼者の最終的な取り分=「経済的利益」の額によって決まります。

 

弁護士報酬の説明

 

注意点

遺産分割トラブルの対応に不慣れな弁護士に依頼すると、その分報酬を安くしている場合もありますが、遺産の取り分が少なくなる可能性が高くなります。
報酬の金額だけで判断せず、トラブルの内容について親身に相談に乗ってくれたり、わかりやすく説明をしてくれたりする弁護士に相談すると安心できるとでしょう。

 

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5.遺留分侵害請求

例えば亡くなった父親の遺言に「全ての財産を友人〇〇に相続させる」と書いてあった場合、残された家族の生活に支障をきたすことが考えられます。
そのため、法律では一部の法定相続人に最低限の権利を保障しています。これが「遺留分」です。
上記の例のように、遺留分を侵害している遺言が見つかった場合に、遺留分を侵害されている相続人が、遺留分を侵害している受遺者や受贈者(上記の場合は友人〇〇)に対してその侵害額を請求することを「遺留分侵害額請求」といいます。

 

いつまでにやらなきゃいけないの?

遺留分侵害額請求には「時効」という期限があり、時効をすぎると請求できなくなってしまいます。

・遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないとき
・相続開始の時から十年を経過したとき

どちらかの期間が経過したら、遺留分は時効により請求できなくなります(民法1048条)。
そのため、遺留分を取り戻したい場合にはできるだけ早めに手続きしましょう。

 

誰に相談する?

遺留分侵害額請求は、遺留分を侵害した財産を受け取る相手方に対して、書面(配達証明付き内容証明郵便)で通知することが一般的です。
この書面の作成は弁護士・司法書士・行政書士の誰にでも依頼できます。
しかし、遺留分の額についての交渉や、家庭裁判所での調停手続きを進めるような場合には、弁護士しか対応できません。
この点を踏まえると、遺留分侵害額請求については、弁護士に相談することをおすすめします。

 

費用は?

遺留分侵害額請求の弁護士費用については、決まった金額はありません。
相場としては、着手金10~30万円に加えて、遺留分として取得できた金額の5~15%程度に設定している弁護士が大半です。
遺留分の金額によっては弁護士報酬も大きくなりますので、複数の弁護士に相談し、信頼して依頼できるかどうかを判断した上で総合的に選定するとよいでしょう。

 

遺留分侵害額請求の弁護士報酬について

 

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6.相続放棄

相続財産には、プラスの財産の他に、借金やローンなどのマイナスの財産も含まれます。
亡くなった方(被相続人)が多額の負債を抱えているようなことがあれば、財産を引き継がないようにしなければなりません。
この手続きを「相続放棄」といいます。

 

いつまでにやらなきゃいけないの?

相続手続の期限は、原則として、相続開始を知った日(基本的には被相続人の亡くなった日の翌日)から、3ヶ月以内とされていますので、葬儀等が終了して少し落ち着いたら、なるべく早めにとりかかる必要があります。

 

誰に相談する?

相続放棄の相談先は「弁護士」もしくは「司法書士」のいずれかになります。司法書士は書類作成の「代行」までを行い、弁護士は依頼人の「代理人」になることができます。
例えば司法書士に相続放棄の手続きの書類作成を依頼した場合には、裁判所からの照会や回答に対応するのは相続人本人となります。弁護士の場合にはすべて代理で行うことができます。

 

費用は?

相続放棄の手続きは業務範囲の違いから、司法書士と弁護士で報酬が異なります。

  • 弁護士報酬の相場:10~20万円程
  • 司法書士報酬の相場:3~5万円程

負債が大きい場合や、相続人や親族が多く利害関係が複雑な場合には弁護士に相談することをおすすめします。
できるだけ費用を抑えて相続放棄の手続きを行いたい場合には、司法書士に依頼すると良いでしょう。

 

相続放棄の費用について

 

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【相続発生前の手続き】

 

1.遺言作成

相続発生前の相談として最も数が多い「遺言」の作成ですが、相談先は複数あります。
目的やお悩みに応じて相談先を選定することをおすすめします。

 

遺言作成目的別専門家一覧表

※おすすめの専門家に〇をつけています。

司法書士・行政書士

財産内容が複雑ではなく費用負担を抑えて正式な遺言を作成したい人は司法書士や行政書士に相談に行くことをおすすめします。
自分でどのような内容の遺言書を作成したら良いのかわからない場合、自分たちで遺産分割協議を進めるときに、どのように分けるのがベストか判断できない場合などに、司法書士の意見が参考になります。

費用は?

司法書士や行政書士の遺言作成報酬は5~20万円ほどが相場です。

 

税理士

財産の額が2億円以上ある資産家の方や、将来の相続税が気になっている方は遺言作成の前に税理士に相談に行くことをおすすめします。
資産が多い方は相続税を考慮した遺産分割にすることで相続税を抑えることができます。

費用は?

費用は司法書士や行政書士の報酬に加え、税務相談料として5~10万円程度上乗せされることが多いでしょう。

 

弁護士

相続時に遺産分割を巡るトラブルが起きることが予想できるとき、または財産を渡したくない相続人がいるときなどは弁護士に相談することをおすすめしまう。

費用は?

弁護士報酬の相場は10~30万円ほどで、司法書士や行政書士に比べると高くなる傾向にあります。

 

信託銀行

信託銀行には遺言信託というサービスがあります。
このサービスは、遺言の作成から相続発生時の執行手続きまでを信託銀行が一括してサポートしてくれるサービスです。
信託銀行が取り扱っていますので安心感があります。
ただし手数料が他の仕業に依頼した場合に比べ高額になる傾向があります。
財産額が多い方は、信託銀行のサービスを利用するのも良いでしょう。

費用は?

100万円〜150万円前後が最低報酬額とされることが多いです。
それに加え、各専門家へ依頼した際の報酬や、遺産額に応じて0.3%〜2%の手数料が加算されることが一般的です。

 

遺言書の作成費用専門家別一覧

 

遺言作成ができる専門家を探す

 

2.相続税の生前対策

相続税の生前対策とは相続税の課税対象となる財産を減らしたり、様々な特例を利用したりすることで相続税の金額を抑えることが目的です。

 

誰に相談する?

相続税対策の相談相手は税理士です。
しかし、税理士であれば誰でもいいというわけではありません。
「相続税が得意な税理士」に相談に行くことが重要です。
これは、税理士になるための税理士試験において、「相続税法」は必須科目とされておらず、まったく勉強していない方においては専門分野外になるためです。

 

費用は?

税理士の報酬は依頼者との間で自由に定めることができるとされています。
相続税申告の税理士報酬は一律でいくらという設定ではなく、相続財産の金額によって変動することが一般的です。

 

税理士報酬について

 
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まとめ

相続は人生において何度も発生するものではない方がほとんどではないでしょうか。大切な方とのお別れに加え、不慣れな手続きがたくさんある相続では不安なことも多いかと思います。
相続110番では、無料で何度でもご相談いただけます。
お一人で悩まずに、まずはお気軽にご連絡ください。

 

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