妹の言い分もわかるけど。相続が泥沼化しそうです(52歳 女性 主婦) 

2015年8月19日


ご相談

妹と兄の3人兄妹です。このままいくと泥沼化しそうです。

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父が数ヶ月前に亡くなりました。長男である兄が1ヶ月ほど経った頃、妹と私を呼び書類を出してきました。それには「私は被相続人からすでに相続分を超える財産の贈与を受けており、相続分の存しないことを証明します」と書いてありました。

それに判をついてほしいとの事でした。兄の突然の話に混乱し、私も妹もその日は書類だけ受け取り帰りました。翌日、妹から連絡があり二人で昨日の事を話そうという事になったのですが、妹の言い分はこうです。

相続110番

▼妹いわく・・・

長男だから同居してお父さんの面倒も見ていたが、義姉さんとは口も利かない日があると母親がグチっている

▼妹いわく・・・

お父さんの会社を継いで私達より裕福な生活になっているはず!

▼妹いわく・・・

父の会社の土地もいれれば、相当な資産があるはず!

▼妹いわく・・・

遺産を全部渡せなんて、義姉の入れ知恵だ!

▼妹いわく・・・

このままだとお母さんの立場がかわいそう!

相続110番

実は両親と兄・妹は関東にすんでいるのですが、私は結婚して福岡へ嫁ぎました。父の面倒も見ることができず、兄にまかせっきりだったのは確かですし、なかなか顔を合わせる機会もなかった為、あまり口出しできない気持ちもあります。

もともと妹と兄はあまり仲がよくありません。かといって全く遺産分けをしないというのも何だか納得いかないのは確かです。現状兄が準備した判を押せという文書にある「相続分を超える財産の贈与を受けており・・・」という内容に心あたりもありません。

とは言っても兄が妹である私達にそこまで横暴な事をするとも思えないのも事実です。次に家族で話し合うときには弁護士を連れて行くとまでいっている妹と大バトルになるのは避けたいと思っています。妹には内緒で兄に確かめることにしたのですが、兄の言い分はこうでした。

▼葬儀から法要、今後の法事、墓守、そして両親の面倒を見ているのは長男の役目だが、今後も母親を見ていかなければならないのも考慮して欲しい。わが家系を守るのは長男だ。

▼会社のあとは継いだが、自社株は父親の名義のものもあり、私の株は過半数も持っていない。こんな状況で、株が分散するのは避けたい。

▼妹達には法定相続分まではいかないが現金で贈与をするつもりであった

たしかに会社の経営に関しては妹の私達は一切関知していませんので口出しできるものではないと私は考えています。状況を全て聞けたわけではないのですが、言葉足らずな兄が何の説明もせず、ぶしつけな行動をとったことがトラブルの引き金になったのには間違いないと思います。母と妹でもう一度説明をきくから、ちゃんと話をしてねという事でその日は終わったのですがとんでもないことになったのです。

 

妹は武装して?やってきた

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四十九日を終え、次の週末に母と妹・兄で集まったのですが、あちらこちらと弁護士さんなどの専門家の下を行脚した妹が法律の知識を蓄えて完全武装でやってきたのです。

集まるなり、妹は兄に聞こえるように母の袖をひっぱり、「家を追い出されないように主張はしましょうね」といい、私には「お母さんの為だからね」とはなから兄に対してけんか腰でした。妹の主張は母も妹も法定相続分は主張するという事。

妹と私は9000万円くらいになる筈だという主張でした。それには私もびっくりしてしまいましたが、兄がそれを聞いてさらに激昂。

「親父の遺産はこの自宅と8000万円ほどの預貯金だけだ!どこからそんな額が出てくるんだ。という私から聞いても納得のいく内容でしたが、妹は会社の自社株に影響するから会社の工場の敷地は約3000坪は購入時よりずいぶん上がっているはず、土地の価値が上がれば、自社株の評価も上がるのよと、経営や株などには全く興味のなかった妹の口からぺらぺらと、もっともらしい話が始まったのです。それは止まることなく、兄が生前に株を譲渡してもらっている事や土地の贈与を受けていることを話しはじめ、「特別受益の持戻しを主張するわ」と、どこぞの専門家が教えてくれた言葉の受け売り状態です。

兄も震えだし、このまま話が進められる状態ではなくなったので、話し合いは決裂、早々に全員が解散しました。兄も相当頭に血が上っていましたし、妹はちゃくちゃくと母を味方につけようとここ最近はしょっちゅう会っています。兄から言わせれば妹もお盆と年末年始にしか、顔をださなかったらしいので、腹立たしいようです。

私も福岡に家庭がありますので、揉めないように目を光らせているわけにはいきません。このあとどうなるのでしょう?どうしたらよいでしょうか。

遺言書の種類 相続110番 1

ご回答

お父様が亡くなって、葬儀や初七日でばたばたしていても、誰かが相続についてのキーワードをポロリと発するだけでこの様な大惨事を招く事もあります。お通夜の時点で骨肉の争いが勃発する事もあるくらいですから、精神的に誰もが不安定な時に相続の話はしたくはないものです。今回もお兄さんの説明不足が招いたことかもしれませんが、お兄さんもひどくショックを受けていた状態でそのような行動に出たとのだとしたら、本当は情状の余地があったはず。

しかし、血のつながりのある兄妹である一番近しい親族にさえでも心情を思いあう配慮が出来なくなる事も珍しくありません。3人兄妹の場合、兄妹の法定相続分は1/6ずつです。兄であっても変わりません。お母様が1/2となります。

残念なことに遺言書が無いようなので法定相続人の間で遺産分割協議が必要になります。

ここでお兄様が一番問題としているのは、お父様から引継いだ会社の株式の状況です。もし、法定相続分どおりにお父様所有の株式を相続する事になれば1/6。生前に贈与を受けたものを足しても40%ほどしかならない自体でした。

母親と妹さん、ご相談者が5/6を所有すると会社全体の48%を所有することになります。当然ながらお兄さんは過半数まで所有しておかなければ社長の地位を失ってしまう可能性があるのです。

お兄様の頭のどこかにも長男だから当然という考えがあったかも知れません。かつての家督相続制度のイメージは日本人ならまだ根強く残っているものです。

 相続110番

その続きは?

結果、専門家の手を借り、現金を妹さん・ご相談者様に代償となるお金を払い、お母様に1/2を相続してもらうことになりました。会社は無事お兄様が経営をする事が出来ます(母親が株式を所有)。しかしながら、お母様の相続の際に揉め事が起こらないとも限りません。まだまだ課題が残る為、今回は兄妹喧嘩を目の前で見てきたお母様が早々に遺言書の作成を準備することになったのです。

相続は突然やってきます。税理士事務所に駆け込む方の約8割が”遺言書がない”と言われているのは、「まだ大丈夫という」誰にも保証されていない自信だけの話です。遺言書は一度作成してもその後変更することは出来ます。

ひとたびお金の問題になると、金額や分割割合に目がいき、故人の気持ちが遠くかけ離れたところに存在する事になりますが、遺す側の気持ちや想いが遺言書という形で見えるだけで多くのトラブルが回避できているのも事実です。

会社を誰に託したのか、自宅は誰にどんな風に住んでもらいたいのか、現金で残してあげたほうがいいのは相続人のうちの誰とだれなのか。

「言わなくてもわかるだろう」は日本人の悪いクセなのです。

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