相続税の取得費加算の特例とは?計算方法まで解説

2017年4月14日


以前のコラム(空き家対策法と相続の関係とは?対策はあるの?)で空き家急増の要因や対策などについて書きましたが、売却時の対策の一つとして取得費加算の特例について、簡単に説明しました。今回はこの特例について詳しくご説明します。

 

取得費加算の特例とは

これは、相続した空き家の建物に限らず、土地や株式、ゴルフ会員権などの財産を売ったときに得られる譲渡所得を計算する際に、支払った相続税の一部を「取得費」に加算でき譲渡所得の金額を軽減させる仕組みのことです。

取得費とは、該当不動産を購入した当時の金額のことをいいます。支払った相続税の一部をこの取得費に加算できるということは譲渡所得金額が減ります。譲渡取得の金額に所得税と住民税が課税されるので、譲渡所得金額が減ると支払う税金も減るということです。

この特例の対象となるには下記の条件を満たさなければなりません。

<特例を受けるための条件>

 1:相続または遺贈によって取得した財産

 2:相続した際に、相続税が課税され納税をしている

 3:相続開始日の翌日から3年10ヶ月以内に譲渡していること

この条件を満たしていれば、故人がその不動産を所有していた期間の長さは問題ではありません。

 

取得費に加算できる相続税の求め方

取得費に加算できる相続税の金額は、その人の相続税額×その人の相続税の課税価格の計算の基礎とされたその譲渡した財産の課税価格÷(その人の相続税の課税価格+その人の債務控除額)で計算ができます。

文字だけ見ているととても難しくみえますね。次に具体例で解説していきますので、ご安心ください。

相続家の父が死亡した場合の長男の相続税で説明しましょう。

 

長男は不動産6,000万円、現金・預貯金6,500万円の合計1億2,500万円を相続し、相続税を2,500万円納付しました。この場合の取得費に加算できる相続税額=2,500万円×6,000万円÷1億2,500万円=1,200万円となります。

 

この不動産は父が亡くなる8年前に4,000万円で購入したもので、相続家の長男は相続発生から3年10ヶ月以内に、相続した不動産を8,000万円で譲渡しました。譲渡する際にかかった仲介手数料が240万円だった場合どうなるのでしょうか。

取得費加算の特例を適用した場合の譲渡所得金額は、譲渡した金額8,000万円-父が購入した当時の金額4,000万円-取得加算できる相続税額1,200万円-譲渡費用240万円=2,560万円となります。この譲渡所得に長期譲渡所得時の20%が課税されるので、納付する所得税・住民税の金額は512万円となります

長期譲渡所得の説明はリンク先コラム参照→売却後の所得税・住民税は不動産所有期間によって税率が変わる!?

 

この特例を適用しない場合の譲渡所得金額は3,760万円なので、20%が課税されると納付する所得税・住民税は752万円となります。所得費加算の特例を適用した場合と適用しない場合の税額では240万円もの差が生じるのです。

相続した不動産を売却する際には専門家へ相談することをおすすめします。

 

相続に関する税金や不動産についてのご相談だけでなく、専門家のご紹介も無料で承っております。

相続のお悩み、お気軽にご相談ください。
電話相談の受付時間は平日10:00〜18:00です。