亡くなった方の確定申告の詳しい方法

2017年3月1日


確定申告期間真っ只中ですが、相続が発生したときにも、亡くなった方の確定申告が必要なことはご存知でしょうか?

被相続人の確定申告の方法、期間について説明していきます。

 

■準確定申告とは?

亡くなった方(被相続人)が年の途中でなくなった場合、亡くなった年の1月1日~死亡日までの所得税の申告を相続人が代理でおこなうことを「準確定申告」といいます。

この準確定申告は、被相続人の死亡日によって手続が異なるので要注意です。

1月1日~3月15日までの間に死亡した場合

被相続人が1月1日~3月15日の間に死亡した場合、死亡した年の準確定申告とその前年分の所得の準確定申告と、2つの準確定申告の準備をしなければなりません。

3月16日~12月31日までの間に死亡した場合

被相続人が3月16日~12月31日の間に死亡した場合は、死亡した年の準確定申告の準備だけで大丈夫です。

 

■準確定申告の申告期限はいつまでなのか?

所得税の申告といえば、通常2月1日~3月15日の間で確定申告を行いますよね?しかし、課税対象者が年の途中で亡くなった場合の確定申告の期間はまったく違います。

 相続人が相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に申告をしなければならない。

とされています。ここで注意しなければならないのが、「相続の開始があったことを知った日」という文言です。

相続家の家族関係図を見ながら2つの例で説明します。

 

例1

相続家の父が母・長男・長女に看取られながら、2017年2月1日に死亡したとします。

母・長男・長女の3人は父が亡くなる姿をみているので、同日2017年2月1日に相続の開始があったこととなります。ということは、相続の開始日の翌日2017年2月2日~4ヶ月以内が準確定申告の申告期限となります。

また、父は1月1日~3月15日の間で死亡しているので、2016年(平成28年)度分と2017年1月1日~2月1日までの2つの準確定申告が必要となります。

 

例2

相続家の父が2017年4月1日に死亡したが、なんらかの理由により、母・長男・長女は父の死亡を2日後の4月3日に知りました。

この場合、相続人である母・長男・長女は2017年4月3日に相続の開始があったことを知ることになるので、翌日2017年4月4日~4ヶ月以内が準確定申告の申告期限となります。

また、父は3月16日~12月31日の間で死亡しているので、2017年1月1日~4月1日までの準確定申告が必要となります。

 

申告期間開始のポイント

被相続人の死亡を知るまでに間があるときは、死亡を知らなかった期間は申告期間としてカウントされません

申告期限を死亡日から4ヶ月とすると、たとえば3ヵ月後に死亡を知った人は残りの1ヶ月で準確定申告の全ての手続きをしなければならなくなるので、その配慮と考えられます。

 

■必ず準確定申告をしなければならないのか?

通常の確定申告と同じく、準確定申告にも申告をしなくてもいい人と、申告をしなければならない人がいます。どのような基準で分かれるのでしょうか?確認していきましょう。

準確定申告をしなくてもいい人とは?

下記の条件を両方満たす場合は、準確定申告をしなくてもいいとされています。

 ①国民年金、厚生年金、共済年金による収入が400万円以下

 ②年金以外の所得が20万円以下

 

準確定申告をしなければならない人とは?

下記の条件にひとつでも当てはまる場合は、準確定申告を必ずしなければなりません。

 ①個人で事業をしていた方

 ②不動産所得があった方

 ③年間2000万円以上の給与があった方

 ④生命保険や損害保険の満期金や一時金を受け取った方

 ⑤医療費の支払いが多額で、確定申告によって所得税の還付を受けられる方

準確定申告をしなくてもいい人でも、準確定申告をすることで還付を受けられる場合もあるので、専門家への相談をおすすめします。

 

■準確定申告をしなかったらどうなるの?

申告期限に間に合わなかった場合や、被相続人が準確定申告の対象なのに申告をしなかった場合、無申告と判定され無申告加算税が発生すると同時に、延滞税も発生してしまいます。

<無申告加算税の税率>

 本来納付すべき税額が50万円以下:15

 本来納付すべき税額が50万円を超えた部分:20

 

<延滞税の税率>

 納付期限の翌日から発生します。

 2ヶ月以内:年2.7

 2ヶ月を超えた期間:年9.0

※平成29年1月1日~12月31日の場合

準確定申告の申告期限を過ぎてしまっても、税務署から指摘される前に期限後申告をすると加算税率の割合が5%に軽減されることもあります。

また、万が一準確定申告した内容に不備があった場合は、税務署に届出することで付帯税の税額を軽減できる可能性がありますので、速やかに届出をすることをおすすめします。

無申告加算税、延滞税の詳細については、国税庁ホームページをご覧ください。

・無申告加算税→No.2024確定申告を忘れたとき

・延滞税→No.9205延滞税について

 

■どうやって申告するの?

申告書の提出先

準確定申告書は被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署に提出します。

誰が提出するの?

相続人が1人の場合は、相続人本人が1人で税務署に提出・納付することで終わります。

しかし、相続人が2人以上いる場合はどうなるのでしょうか?

相続人が2人以上いる場合、基本的には各相続人の連署で準確定申告書を提出します。しかし、遠方に住んでいる相続人がいてタイミングが合わないことや、相続人間の仲が良くないため顔も合わせたくない!という方もいらっしゃいます。その場合は、他の相続人に許可をとり、他の相続人の氏名を付記した書類を各人が別々に提出し、他の相続人には申告内容を通知する方法をとることも可能です。また、納付税額は相続分により按分して計算した額を納付することになります。

 

■所得控除はあるの?

通常の確定申告と同じく、準確定申告をする際にも所得控除が受けられます。

所得控除の対象となるのは下記の3つで、死亡日までに被相続人が支払ったものに限られます。

①医療費控除

死亡の日までに被相続人が支払った医療費が対象となります。入院先で死亡して、その入院費を死亡後に相続人が支払っても、準確定申告書の医療費控除に含めることはできません。

しかし、相続人と被相続人が同一生計であれば、相続人の確定申告の医療費控除に含めることができます。

②社会保険料、生命保険料、地震保険料

死亡の日までに被相続人が支払った保険料が対象となります。

③配偶者控除、扶養控除

適用の有無に関する判定(親族関係やその親族等の1年間の合計所得金額の見積り等)は、死亡日の現況により判断されます。

 

「亡くなってすぐにお金の話をするのは気が引ける」ということもあり、四十九日の法要が終わってから準確定申告の作業に取り掛かる方がとても多いです。

お葬式や法事だけでなく、心の整理もしなければならない中、4ヶ月という期間はあっという間です。もしものことを想定して、日常的な親族間でのコミュニケーションが大切となってくるのではないでしょうか。

準確定申告や相続税などでわからないことや困っていることがあれば、お気軽にご相談ください。アドバイスや解決方法のご案内や、ご相談内容にあった専門家のご紹介など無料で承っております。

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