兄弟で相続争いが勃発。実家に住む兄と自分で家をもつ弟の兄弟相続

2015年5月13日


兄弟での相続争いとなる一番多いケース

兄は独身、実家(一戸建て)に同居、弟は結婚し妻子がおりマンションを購入済み。父と母が他界したことをきっかけに、今は母名義になっている土地と家をどのように分割するのかという事が兄弟二人の間で争いとなっているケースがありました。財産は家のみという家庭のよくあるケースをご紹介します。

それぞれの主張はこうです。

兄弟争い兄の主張

その兄弟の争いには何が?兄の考え

両親とこれまで同居し、父の介護もした。一番近くで両親に寄り添っているのは私です。大体、家は長男が継ぐものと決まっている。兄弟だからといって弟にどうこう言われたくないし、私は住んでいるのだから私の家だ。弟は自分でマンションも購入しているのだから住む処にも困らないはずだ。弟は私から家を奪うつもりだ。介護が大変でも協力もしなかったのに、しっかりもらう気でいる。

兄弟争い 弟の主張

その兄弟の争いには何が?:弟の考え

家を売却して、そのお金を兄弟と分けたいと考えています。自分の相続分を主張したい。兄が介護していたことに関しては、家賃も払わず、居候状態なのだから、親の面倒をみるのは当然でしょう。親が亡くなったら、家を売却してもいいはずだと言っても兄は承諾しません。結婚もしていない兄があんな一軒家に住んでももったいない、母が亡くなったらアパートでも借りればいいのだ。よっぽど効率的です。

相続トラブル予想

土地付き一戸建てのみの相続。ましてや同居の相続人(兄弟など)がいる場合、介護のご苦労が関わると更に厄介な問題へと発展します。こうならない為には親の遺志を遺言などで伝えておくことが必要です。財産を遺す側の親からすれば、財産は家だけだから、もめないだろう。兄弟は仲がいいから大丈夫というような安易な考えさえなければ、このような争いに発展もしなかったかもしれません。親から、遺産分割の割合を言われれば、内心は不服だったとしても、大きな争いにはなりにくいからです。

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兄弟で分割するにはどのような方法がある?

遺産分割の方法は主に4つに分かれます。

現物分割

遺産の形を変えず、そのままの状態で分割する方法で、一番基本的分割方法といえるでしょう。全ての財産に対する共同の共有財産をそれぞれの所有者を割り当てる方法。

▼今回の例であれば・・・

兄だけに実家の土地・家を相続。

現物分割

ただし、これでは、弟が黙っていないでしょう。結局兄弟争いになることは避けられません。

換価分割

遺産を金銭に変えて(=換価)、相続人(兄弟)でその代価を分割するもの。

今回の例であれば・・・

自宅を売却し、現金化したものを兄弟で分割する。お金の事で争いになるのだから、お金にしてきれいさっぱり分割しよう。という方法ですが様々な問題もあります。

家が売れれば換価分割

▼家が売れればの話ですが…

不動産は買主や売却価額等の具体的条件が決定していれば、スムーズに手続きは済みますが、まずは売れなければ換価することはできません

売れなければ、遺産分割で争いに発展する可能性もあり、また、不動産を売却するには被相続人のままでは売却が行えませんので不動産を動かす為に行う登記方法や、不動産登記の際の相続税、売却した際の譲渡所得税に関しても複雑な課税関係に対する知識が必要となります。

不動産の専門家

仲介手数料、相続税、譲渡所得税等のコストを慎重に考える必要がありますので相続の不動産登記、税務に詳しい専門家に支援を頼むことが賢明です。

代償分割

特定の相続人、または数人が遺産を取得する事で、相続分よりも多くの遺産を取得する場合、他の相続人に対して、金銭を支払うなどして過不足を調整する分割方法です。共有所有にすると複雑になり、以降の相続が発生したときに権利関係が更に複雑化します。

争いやトラブルが起こり共有相続を逃れる為にも有効な方法です。

代償分割

今回の例であれば・・・

自宅の土地、家屋を被相続人と同居していた兄が全て相続し、兄が弟に対し相続分に該当する現金(=代償金)を支払うことで調整。

相続人は兄弟のみ。被相続人は(母)と兄が同居であった。 相続財産は自宅の土地、家屋のみ。 兄が自宅に住み続ける主張をしている為、兄弟で共有財産としても弟には居住することがなければ、何のメリットもありませんので兄が弟に対して、代償財産を現金で支払う。

というように、分けることのできない財産、換価もできない状況の際、利用されます。

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▼支払う能力が問われる方法

代償金を支払う兄に代償債務の負担金の支払能力を検討することが重要です。遺産分割協議が成立しても、代償金の支払いが不能であれば、のちのち、兄弟間で争いが生じるのは必至です。支払う能力があるのかも問題になってきます。 以降の争いを避ける為に兄弟間でよく話し合う必要があります。

共有分割

遺産の一部または全部を相続人が共同で所有します。

今回の例であれば・・・

土地・家を兄弟二人の名義にします。しかし、将来的に名義人のうち一人が売りたい・処分したいとなっても、名義人全員の合意が必要になります。兄弟間ならまだしも、もし弟が亡くなると、その相続人である妻または子が新たに名義人に加わり、相続が起こる度、名義人が変わり、増えていき、複雑化することになるのです。

ニートの遺産分割協議

共有分割は専門家のあいだでも相続人に勧める方法ではないのですが、兄弟二人のうちもし、お兄さんがニートやとんでもない放蕩息子だった場合、共有名義(分割)にする事でニートの息子がホームレスになる心配はなく、家を勝手に売却するなどを防ぐことにもなります。

相続人が選ぶよりは、被相続人が子を心配して、このような方法を使うこともあります。

お兄様が同居をしている事に注目

同居の特例

今回の場合、兄が同居をしていました。相続税の住宅に関する制度として、居住用の小規模宅地の特例があります。

被相続人と同居していた配偶者や親族が引き続き住む場合、宅地の330平方メートルまで相続税評価額を80%減額できる制度です。たとえば5000万円の評価の土地・家が、1000万円の価値として計算されるので、相続の控除内となり、税金を支払わなくてよくなる事もあります。お兄様が仰るように今まで住んでいた家に住めなくなるのは大問題。多額の相続税負担でこのような争いを防ぐために考慮されているものです。 

▼注意点:10ヵ月以内に相続税の申告を済ませなければ適用されません。

遺産分割協議に時間がかかり、兄弟争いをしている間にも、10ヶ月経ってしまうと、せっかくの特例も水の泡です。期限までに兄弟間での、争いの決着が付かず。結果、多額の相続税を支払うことになる事も少なくなくないのです。

弟の遺留分請求

遺言書で兄に相続させるとあっても?

弟さんも実の子。当然相続分の主張をする事ができます。

被相続人の配偶者、子どもなどの直系卑属、父母などの直系尊属のみが遺留分権者となり今回の兄弟共に遺留分権者となります。配偶者または子どもが相続人になる場合の遺留分は1/2なので、今回の場合、実家の評価額の法定相続分は兄弟で1/2ずつ。

その1/2なので、1/4までは遺言書で兄に全てとの指定があっても、兄が実家を相続したとしても弟が主張できる範囲なのです。

5000万円であれば、本来の法定相続分が2500万円。その1/2の1250万円がそれぞれの遺留分となります。

請求を行使するには遺留分減殺請求権の行使をする必要があり、弟が後日の争いをできる限り回避するために、まずは、配達証明などで、意志を表示することが大切です。万が一兄が応じない場合には、訴えを起こすとになりますが、その場合の裁判所の管轄は、相続開始地を管轄する裁判所となります。遺留分は相続人に認められた正当な権利ですので、請求されたら拒むことはできません。

兄弟の相続争いを円満解決へ

ここまで行けば争いはすでに泥沼化しています。いずれの方法を選ぶにしても、兄弟の心情は複雑になっているでしょう。兄弟姉妹間は親が知らない確執があったり、不平不満が多いのも現実。争いをせず円満解決を望んでいる場合は、まずご相談下さい。

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