兄弟で相続争いが勃発。実家に住む兄と自分で家をもつ弟の兄弟相続

2019年5月28日


 

こんにちは、相続110番です。
相続110番の無料相談にあった事例をご紹介します。
相続財産が実家の土地と建物だけだったあるご兄弟の相続争いについてのごご相談をもとにどうすれば解決できるのか考えていきましょう。

 

相続争いの多いケース

✔ 相続人の一人が実家に住んでいる
✔ 相続財産は実家の土地と建物だけ
この条件に当てはまる方は争族に発展しやすい、あるいは既に争族に発展し兄弟の間に溝が出来つつあるかもしれません。

 

例えばこんな場合…
兄は独身、実家(一戸建て)に両親と同居しておりました。
弟は結婚し妻子がおりマンションを購入済み。
相続財産は兄が住んでいる母名義の土地と自宅のみ。

このような場合に、兄弟二人の間で争いとなっているケースを例に対応方法を考えていきましょう。

実家に住み続けたい兄と売却したい弟

 兄の主張
両親とこれまで同居し、父の介護もした。
一番近くで両親に寄り添っているのは私です。
大体、家は長男が継ぐものと決まっている。
兄弟だからといって弟にどうこう言われたくないし、現在は私が実家に住んでいるのだからここは私の家だ。
弟は自分でマンションも購入しているのだから住む処にも困らないはず。
父の介護が大変だったときに一切協力もしなかったのに、相続財産はしっかりもらう気でいる。
弟は私から家を奪うつもりだ。

 

 弟の主張
実家を売却して、そのお金を兄弟と分けたいと考えています。
私も自分の相続分を主張したい。
兄が父を介護していたことに関しては感謝しております。
しかし、長年家賃も払わず、居候状態で実家に住み続けていたのだから、親の面倒をみるのは当然でしょう。
両親が亡くなったいま、家を売却してもいいはずだと言っても兄はなかなか承諾しません。
結婚もしていない兄があんな一軒家に一人で住んで住むのはもったいない。
実家を売却したお金でアパートでも借りるほうがよっぽど効率的です。

この場合どのような分割方法が考えられるか

1. 代償分割
2. 換価分割
3. 分筆による現物分割
4. 相続放棄
5. 共有名義
代表的な例として、上記5つの方法が考えられます。

それぞれの具体的な利用方法、気を付けなければならない点を以下にまとめていきます。

1.代償分割(だいしょうぶんかつ)とは

遺産の分割に当たって共同相続人などのうちの1人又は数人に相続財産を現物で取得させ、その現物を取得した人が他の共同相続人などに対して債務を負担するもので現物分割が困難な場合に行われる方法です。

 

代償分割とは、一部の相続人が財産を多く相続したことで不公平が生じた場合、おの相続人が他の相続人にお金を支払うことで調整する方法です。

 

 今回の場合…
自宅の土地、建物母(被相続人)と同居していた兄が全て相続し、兄が弟に対し法定相続分に該当する現金(=代償金)を支払うことで調整。
相続人は兄と弟の2人だけ。
兄が自宅に住み続ける主張をしている為、兄弟で共有財産としても弟には居住することがなければ、相続財産を何も相続できません。
この場合に兄が弟に対して、代償としてを現金(2500万円)を支払うことで調整する。
このように、現物を分けることができない財産、また換価(売却しお金に換えること)もできない状況の際に利用されます。

 

 気を付けなければいけない
しかし、代償金を支払う兄に代償金の支払能力があることが前提として必要です。
遺産分割協議が成立しても、代償金の支払いが不能であれば、再び兄弟間で争いが生じてしまうでしょう。
不要な争いを避ける為に、事前に兄弟間でよく話し合う必要があります。

2.換価分割(かんかぶんかつ)とは

不動産や土地などの現物として残された相続財産をお金に「換金」し、その「価値」に応じて、相続人の間で分割する方法のことです。

 

換価分割とは、遺産を売却して得た現金を相続人同士で分ける方法です。不要な土地を相続した場合には、換価分割が一番現実的な分割方法となります。

 

 今回の場合…
自宅を売却し、現金化したものを兄弟で分割する。
お金の事で争いになるのだから、いっそお金に換金してきれいさっぱり分割しよう!という方法ですが様々な問題もあります。

 

 気を付けなければいけない
不動産は買主や売却価額等の具体的条件が決定していれば、スムーズに手続きは済みますが、まずは売れなければ換価することはできません
また、不動産を売却するには母(被相続人)の名義のままでは売却することはできません。
不動産の名義変更や、不動産登記の際の登録免許税、さらに売却を依頼する際の仲介手数料譲渡所得税に関しても注意が必要となます。
不動産登記はご自身で行うこともできますが、煩雑な手続きのため、一般的には司法書士に依頼します。
その場合は、代行費用として10万円ほどを目安に考えると良いでしょう。
加えて相続税が発生する場合には、相続の手続きに詳しい税理士に相談することをおすすめします。

3.分筆(ぶんぴつ)による現物分割

相続財産を現物のまま、つまり形状や性質を変えないでそのまま各相続人に分配する方法です。
例えば、「土地は長男、車は次男、預金債権は三男」という分割や「土地を相続分に応じて分筆して分ける」といった分割がこれにあたります。
現物分割では、それぞれが土地を自由に使えるというメリットがあります。

 

分筆(ぶんぴつ)による現物分割とは、土地そのものを物理的に分ける方法です。分筆とは、土地を切ることをいいます。

 

 今回の場合…
80坪の土地を40坪ずつ2つに分筆します。
半分にして、それぞれ単独所有にしておけば、例えば兄はその土地に自宅を建て、弟はその土地を売却するというような選択も可能です。
そのため、今回の場合には適した方法といえます。

 

 気を付けなければいけない
ただし、現物分割を選択する場合には、その土地が十分に広い面積があることが必要です。
40坪の土地であれば、半分に切ってしまうと、20坪となってしまい、狭すぎて使い道が無くなります。
小さく切ってしまうと、逆に価値を落としてしまうため、狭い土地は現物分割に不向きです。
一戸建ての敷地は40~60坪程度ですので、2人兄弟で現物分割を選択する場合は少なくとも80坪以上の広さが必要となります。
現物分割は、分筆した後に利用価値がある、または売却もできるような広い土地で行うようにしましょう。

4.相続放棄

相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない相続方法のことです。
相続放棄によって遺産分割を行うという方法も良く行われます。

 

相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない相続方法のことです。

 

 今回の場合…
兄は現在住んでいる実家に引き続き暮らしたいと考えており、弟は売却し現金に換金したいと考えているため、この方法は難しいかも知れません。

 

 気を付けなければいけない
今回の場合、兄が母と同居していた実家を相続する場合には、「小規模宅地の特例」の適用が可能です。
80坪(約264㎡)の土地の評価額を最大80%評価減することができ、今回の場合には、相続税を納める必要がなくなります。(ただし、相続税の申告期限まで継続して居住するなどの条件があります。)
しかし、弟が土地を相続する場合には、この特例を適用することはできません。

5.共有名義

共有とは、不動産などを相続人全員で共有する方法です。
ただし、土地を売却する場合には、売却に必要なすべての手順で常に名義人全員の意思確認と書類と同席が必要です。
また、貸し出して賃料を得る場合には、その権利は持ち分に応じた額だけに限られます。

 

共有名義(不動産の共有)とは、土地などの所有権を単独ではなく複数人で有している状態のこと

 

 今回の場合…
兄と弟の2人が1つの土地を共有で相続すると、兄と弟がそれぞれ1/2ずつの権利を持ちます。
土地そのものを2分割してそれぞれが相続する場合と違って、共有名義の相続では兄弟のどちらも土地全体を使用することができます。

 

 気を付けなければいけない
共有名義にする場合、さらにその先の相続を考えると揉めることが多くオススメできません。
例えば、兄と弟が1/2ずつ共有で相続し、その後に弟が亡くなった場合、この不動産の所有権は、1.兄(1/2) 2.弟の妻、子の3人で(1/2)という状態になります。
もしも、この不動産を売却したい場合には、共有名義人全員で話し合いをする必要があります。
共有名義にしている期間が長く、その間にいくつかの相続が発生すると、共有名義人の数が増え、手続きも話し合いも難航することが予想されます。

お互いの意見がまとまらないとき

✔ 家庭裁判所へ遺産分割調停の申立てをする
✔ 弁護士に相談する
上記のいずれかの方法が一般的です。


相続財産が不動産のように、きれいに分けることができない財産だけの場合、お互いの主張がぶつかり合い、意見がまとまらないことが多くあります。
相続税が発生する場合には、申告・納付の期限にも注意する必要があります。
早めに専門家へ相談しましょう。
以下に上記の対応方法についてまとめていきます。

1.調停を申し立てる

遺産分割調停は、遺産分割をする際に相続人間での遺産分割協議がまとまらないときに家庭裁判所で利用される手続きで、「裁判所が間に入った遺産分割の話し合い」のことを言います。
手続きの流れを簡単に説明します。

[1]管轄裁判所に調停申立書を提出

(手数料を納付)

(調停申立書が適法に受理され相手方に送達される)

[2]調停を行う期日の指定(裁判所から)

[3]調停期日に出頭

(通常は何回かの期日を積み重ねて調停の成否を探る)

[4]調停の成否

[5]調停調書の作成(この場合調停調書通りの遺産分割を行わなければならない)

(調停がまとまらない場合)

[6]審判手続き開始


家庭裁判所は双方が納得の上で合意できるよう仲介役をしてくれます。
決定事項を記した調停調書は法的な拘束力がありますので、後々のトラブルを防ぐこともできます。

2.弁護士などの専門家の助けを借りる

遺産相続では、それまでの人間関係が壊れてしまう家族も少なくありません。
とから後悔したり、修復できないほど人間関係が壊れてしまわないように、経験豊富な専門家の力を借りることをおすすめします。
弁護士に依頼した場合の費用についてまとめていきます。

 

 遺産分割協議を依頼した場合の弁護士費用

・着手金として20万円から30万円程度
・報酬金(経済的利益により異なる)

 

 報酬金について

報酬金は、各法律事務所が自由に定めることができます。
しかし、多くの事務所は、弁護士会が定める「旧報酬規程」を基準に報酬を定めているとされています。

 

弁護士報酬の説明

※旧報酬規程では「経済的利益」を「遺産の総額×依頼者の相続分×1/3」で算定しています。

 

 具体例で考えてみましょう。

遺産総額:5000万円
相続人:兄と弟の2人
相続分:1/2ずつ

経済的利益
5000万円×1/2×1/3=833万円
報酬金
833万円×10%+18万円=101.3万円

 


 その他にかかる費用

弁護士報酬には大きく報酬と実費の2種類に分かれ、報酬はさらに下記の5つに分けられます。

相談料

法律相談にかかる費用

着手金
弁護士に事件や手続きを依頼したときに支払う費用
※着手金は返還されません

報酬金
事件が無事に終了したときに支払う費用
成功報酬ともいわれ、成功の度合いによって額は異なる
不成功の場合には支払う必要なし

手数料
契約書や遺言書の作成など事務的な手続きを依頼した場合に支払う費用

日当
遠方の裁判所に出向く必要がある場合など、弁護士が事務所を離れて業務を行うときに、そのために拘束された時間に応じて支払う費用

実費
印紙代や郵便切手代、交通費など実際に要した費用

 

 

 費用の支払いについて
弁護士費用のうち、着手金は手続きを依頼するときに支払うことになります。これに対して報酬金は、手続きが完了したときに支払う必要があります。
最近では、分割での支払いやクレジット払いなどにも対応している法律事務所がありますので、一括で費用を支払うのが難しい場合は、事前に分割払いは可能かを確認するようにしましょう。

 

まとめ

いずれの方法を選ぶにしても、兄弟の心情は複雑になっているでしょう。
兄弟姉妹間は親が知らない確執があったり、不平不満が多いのも現実です。

 

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