不動産売却後の所得税・住民税は所有期間によって税率が変わる!?

2017年4月10日


以前のコラム(空き家対策法と相続の関係とは?対策はあるの?)で空き家急増の要因や対策などについて書きましたが、売却時の対策の一つとして長期譲渡所得について紹介しました。

「長期」譲渡所得というくらいですから、「短期」譲渡所得もあります。長期と短期の境目は「5年」です。譲渡するとき、該当不動産の所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得に適用され、所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得に適用されます。さらに所有期間が10年以上の場合に適用される特例もあります。

所有期間によって適用されるかどうかが変わってきますので、ひとつずつ解説していきます。

下記の相続家の父が平成29年3月1日に死亡したとします。

 

<短期譲渡所得が適用される条件>

譲渡した年の11日時点で、所有期間が5年以下の不動産

たとえば、平成24年2月1日に父が居住用として購入した不動産を、父の死亡後の平成29年4月1日に誰かに譲渡したとします。父が死亡した平成29年3月1日の時点では5年1ヶ月所有していますが、平成29年1月1日時点では4年11ヶ月しか所有していないことになるので、短期譲渡所得として扱われます。短期譲渡所得が適用されると、譲渡所得金額に39%(所得税30%+住民税9%)が課税されます。もちろん、条件が揃えば「空き家譲渡所得による特別控除」の3,000万円の併用も可能です。

空き家譲渡所得による特別控除の条件とは?

 

<長期譲渡所得が適用される条件>

譲渡した年の11日時点で、所有期間が5年を超える不動産

たとえば、相続家の父が平成23年12月31日に居住用として購入していた不動産を、父の死亡後の平成29年4月1日に誰かに譲渡したとします。平成28年12月31日の時点で所有期間が5年になるので、平成29年1月1日になると5年を超えて所有していたことになり、長期譲渡所得として扱われます。長期譲渡所得の適用を受けると、譲渡所得金額に20%(所得税15%+住民税5%)の課税となり、短期譲渡所得の場合より税率が約半分になります。また、こちらも条件が揃えば「空き家譲渡所得による特別控除」の3,000万円が併用できます。

空き家譲渡所得による特別控除とは?

このような所有期間の定めがありますので、5年ほど前に不動産を購入されたかたは、一度確認されてみてはいかがでしょうか。

 

 

10年超所有軽減税率の特例が適用される条件>

譲渡した年の11日時点で、所有期間が10年を超える不動産

・過去2年以内にこの特例の適用を受けていない

この条件にあてはまると、10年超所有軽減税率の特例の適用が認められます。そして、譲渡所得が6,000万円以下の場合の課税税率は14%(所得税10%+住民税4%)、譲渡所得が6,000万円を超える場合の課税税率は20%(所得税15%+住民税5%)が課税されます。(平成29年4月現在)

 

復興特別所得税の課税

東日本大震災からの復興に必要な財源の確保のため「復興特別所得税」が平成23年12月2日に創設されました。平成25年から平成49年までの期間限定ではありますが、復興特別所得税として2.1%が別途課税されます。この復興特別所得税は所有期間や譲渡所得金額によって減税になることはありません。

 

他制度との併用はできるのか?

短期譲渡所得や長期譲渡所得が適用された場合でも、空き家譲渡所得の特別控除(控除額3,000万円)との併用は可能です。また、10年超所有軽減税率の特例に適用された場合は「空き家譲渡所得の特別控除(控除額3,000万円)」もしくは「特定の居住用財産の買換えの特例」のどちらかと併用ができます。税理士などの専門家に相談してみることをおすすめします。

空き家譲渡所得による特別控除の条件とは?

また、これらの制度は相続した家屋だけでなく、通常の不動産譲渡の場合でも適用できますので、お持ちの不動産の売却をお考えの方もぜひ参考にしてみてください。

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